Thu.

怨霊の洞窟その2  

「やれやれ、術が万全に効いてよかった」

 隠れていた叢を揺らし、ひょっこり頭を出したのはハーフエルフの魔術師だった。
 怨霊が出現するという洞窟まで、おおよそ3~4時間。これといった難所もなく、フレッドたちは問題の洞窟に辿り着き、入口に蟠っていた何らかの不浄な”気配”をどうにかして、中に入ろうと思っていたのだが……。
 いざという時のために、ミハイルの【亡者退散】は温存しておきたい。
-- 続きを読む --

2019/09/12 12:52 [edit]

category: 怨霊の洞窟

tb: --   cm: 0

Thu.

怨霊の洞窟その1  

 フレッドたち一行は報酬を得たことから、新たなスキルの導入とアイテム購入について、長い間話し合った。予算にだいぶ限りがあるので、呪文にしろ技にしろ一つだけにしようと、まずこれについては早く決まったのだが、肝心のスキルを何にするか、残った金で何の道具を買うか、意見が色々出たため紛糾したのである。
 明確にリーダーを決めたわけでもないので、互いの意見のぶつかり合いは激化した。
-- 続きを読む --

2019/09/12 12:50 [edit]

category: 怨霊の洞窟

tb: --   cm: 0

Wed.

バリアントの洞窟その4  

 6人連れのパーティになった一行は、リューンから一時間ほど掛かるマイヤー養鶏場へ訪れた。
 森の端に作られた養鶏場は森にある敷地部分を高い杭で囲んであり、かなり広い土地を駆け回る放し飼いが基本らしい。卵を産む雌鶏たちでさえ、小屋の定位置に押し込められて餌を詰め込まれるのではなく、いくつか抱卵に適当そうな東屋があり、気に入った場所で産んでいくスタイルであるようだ。
-- 続きを読む --

2019/09/11 12:49 [edit]

category: バリアントの洞窟

tb: --   cm: 0

Wed.

バリアントの洞窟その3  

 慌ててカウンターにとって返したエセルの目に、初めてお目にかかる男女が飛び込んできた。
 後ろからついてきたフタバも彼らを認め、あらと声を漏らす。
 朗々と響く声で自己紹介を始めたのは、色んな人種の入り混じる交易都市でもあまり例のない紫色の髪を、胸元近くで切り揃えた僧侶だった。たとえ捧げ持つ聖北の印がなくとも、衒いなく相手を真っ直ぐ見つめる彼を見れば、難なく職業を言い当てることができるだろう。
 妙なのは、癖のない長い金髪を背に垂らした清廉な印象の女戦士が、目を伏し気味にしてやや斜め後ろで佇んでいることであり――物腰からすれば正式に剣の訓練を受けたらしい彼女が、どうして下級の聖職者に付き従うようにいるのか、関係性がまったく見えないことである。
-- 続きを読む --

2019/09/11 12:48 [edit]

category: バリアントの洞窟

tb: --   cm: 0

Wed.

バリアントの洞窟その2  

 エセルは元・木こりの少年とフェアリーという奇妙なふたり連れに、じゃが芋をたっぷり使った朝食を出してやった後、店の名前の由来になった柘榴の描かれた看板を磨くため外に出た。
 ここはそもそも、後継者がいなかったために潰れてしまった普通の宿屋があったのだが、どういう伝手があったのか、エセルが世話になった≪狼の隠れ家≫の亭主が建物ごと土地を買い取り、エセルへ新たな冒険者の宿を経営するよう頼んだのである。
 向こう3年間は、売り上げのいくらかを≪狼の隠れ家≫に送るのだが、その後は独立採算で続けていくことになっている。
-- 続きを読む --

2019/09/11 12:47 [edit]

category: バリアントの洞窟

tb: --   cm: 0

プロフィール

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カレンダー

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

辺境に足を運んだ方の人数

▲Page top