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階下に潜むモノ 4  

 ミナスの精霊力の感知を頼りに一行が行った先には、小型のバジリスクがいたのだが、それを倒すことで手に入れた杯で、精霊の封印を解き呼び起こすことができた。
 力を取り戻し、石像から本物の精霊へと姿を変えた海精は、小さな手に精霊杯を掲げ持つミナスとその仲間に微笑みかけ、清らかな声で言った。

『あなた方が私をもとの姿に戻してくれたのですね・・・ありがとう、私は精霊のシェリと申します・・・』
「僕はミナスっていうんだ。元に戻れて良かったね、シェリ!」
「さっそくだが・・・・・・聞きたい事がある」

 興奮しているミナスを押さえ、エディンが一歩前に進み出る。

「この神殿、どうして魔物が住み着いてしまったんだ?」
『はい、それは・・・。この神殿の結界が破られてしまったからです。そのため魔物達が侵入し、私も石に変えられてしまいました』

ScreenShot_20121115_161358953.png

「結界が破られたあ?」

 すっとんきょうな声をあげたのはジーニである。
 彼女は長く魔術の勉強をした者として、こういった特別な造りをした遺跡に施された結界が、簡単に解けるような代物ではない事を知っていた。

「いったい、なんだってそんなことになったのよ?」
『結界が破れた原因は・・・地下水脈より巨大な魔物が現れ、神殿の地下が大きく破壊された事にあります』
「あちゃ~・・・・・・物理的損壊か。そりゃ、結界が破れるはずだわ・・・」
「巨大な魔物・・・」

 エディンの興味は、結界よりもむしろ敵の正体であった。
 しかし、シェリは明確にそれに答えようとせず、凪いだ湖のような佇まいでさらなる言葉を発した。

『結界を張り直さなければ、この神殿はずっと魔物の住処のままです。皆さん・・・どうか私に力を貸してください。もちろんお礼は致します』
「そのつもりで来たのさ」

 得意げに鼻をうごめかせるギルに、海精シェリは喜色をあらわにして言った。

『本当ですか・・・ありがとう!』
「その地下の魔物とやらをやっつければいいんだろ?」
『ええ。地下へ行く為に雷属性の魔術が必要です。あなた方の誰かに、その魔術を授けましょう』

 精霊魔法かと思ったが、聞けば、この遺跡を作り出した古代人達が置いていった呪文書なのだと言う。
 一行の目がジーニをまっすぐ捉えたが、彼女は残念そうに首を横に振った。

「悪いけど、今回ばかりは私以外を選んでちょうだい。これ以上身体に魔術を修めると、魔法バランスが崩れちゃうわ」
「しかし・・・・・」
「俺がやる」
「アレク?」
「海精シェリよ。それは、欠片でも素養があれば唱えられるものか?」
『はい、ごく初歩の魔術ですから・・・』
「ではその雷属性の呪文を俺に宿してくれ」

 突然何を言い出すのかと心配そうに眺める仲間達に、アレクは小さく笑いかける。

「大丈夫だ。俺の母は魔術師だった。だから俺も魔法剣を扱えるんだ」

 ギルは「そうだったな」と言った。アレクの父が優秀な精霊剣士なら、アレクの母は偉大な魔術師だった。
 幼くして類のない聡明さで賢者の塔に入り、早くから魔法を意のままに操ったという彼女の逸話は多い。
 海精は端麗な指をアレクの白い額にあて、【召雷弾】を彼の体に宿した。

ScreenShot_20121115_162732906.png

『この魔術を、北の部屋の壁の装飾に向けて使用すれば、地下への道が開きます』
「おお、あのプレートがあったところか」
「なるほど、そういう仕掛けだったのですね」
『あなた方の幸運を祈って・・・』

 さらに、海精シェリはアレクの剣に口付けると、霞のようにその姿を変えて彼の中へと入っていく。

『一時的な契約ですが・・・・・・これで、私もあなた方に同行し、その傷を癒すことができます』
「にわか精霊剣士、というわけか」

 わずかに苦い影を含みながら、アレクがその端正な顔を歪めると、元気付けるようにギルが背中を叩いた。

「お前はお前、父親は父親だろ?頼りにしてるからな、アレク!」
「・・・・・・ああ、そうだな。任せておけ」

 アレクは、いつもこうやってギルが憂いを退けてくれることを思い出していた。

2012/12/10 19:52 [edit]

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