Mon.

階下に潜むモノ 2  

 ごつごつした岩や針葉樹に覆われた中を進むと、白い像を祀った遺跡の入り口が現れた。
 崩れかけた入り口をくぐった一行を迎えたのは、妙に無機質で真っ白な石に覆われた部屋だった。
 入って左手に木製の扉、右に細い通路が続いており、上を仰ぐとそこにも通路が覗いている。

「気をつけて、みんな。・・・水の精霊の力が、妙にざわめいてる。やっぱり、精霊達を阻害する奴がいるみたいだよ」
「ミナスがそういうなら確かだろう。用心していくぞ」
「ああ。まずは俺に探らせてくれ、リーダー」

 手近な扉を調べたエディンは、硬い表情で静かに下がり仲間に言った。

「・・・怪しい・・・・・・ここから先は気をつけて進んだ方が良い・・・」
「よし、アウロラ、ジーニ」

 海精と交信するまで、ミナスに無駄な体力を使わせないようにしよう、というのが一行の方針であった。
 なので、ギルの小さな呟きに応えた仲間は二名。【祝福】と【魔力の障壁】をかけ、一気に扉の先へと進む。
 突然、背後の扉が閉まった音がした。

「何!?」

 驚きの声をあげるギルの視界を塞ぐように、泥のゴーレムの出来損ないに見える敵が3体出現する。

「嫌な予感はこれか・・・・・・」

 武器を抜き放ってエディンが舌打ちし、手近な敵に襲い掛かった。
 敵が複数と見て、アレクとギルも【飛礫の斧】と【薙ぎ払い】を準備する。
 攻撃力自体は大したことないものの、その敵は縦横に戦場を駆け回る戦士達の防御力を下げる特殊能力を持っていた。
 ジーニが眉を潜める。

ScreenShot_20121115_145626203.png

「なんなの、こいつら?せっかく私が唱えた呪文を、なんだと思ってるのよ!」
「落ち着け、ジーニ!俺とギルだけで近接戦闘を仕掛ければ良い話だ、遠距離攻撃は頼む」
「もう、簡単に言ってくれるわね、アレクったら」

 ぶつくさ文句は言いながらも、ジーニは【火炎の壁】の詠唱に入る。
 結局はその呪文がトドメとなり、モンスターは小さな宝箱を落としていった。

「お、なんだろうな?」

 エディンがざっと調べると、鍵も罠もなかったのでそのまま蓋を開ける。
 中には、白い石で出来た鍵が納まっていた。

「これ、外にあった石像と同じ材質じゃないでしょうか?」
「じゃあこれ、神殿内のどこかを開ける鍵じゃないの?」

 女性2名が交わす会話に、アレクが無言で頷いた。

「かもしれん。とにかく、一休みしたら探索を続行しよう」

 移動を続けると、やがて三叉路に行き当たった。
 先ほどのと似たような扉がひとつ、細い通路が2つ。

「扉は・・・・・・さっきみたいにモンスターがいるかもしれないわね」
「んじゃ、通路を進むか?」
「うーん・・・・・・」

 唸り声を上げてからエディンが聞き耳をすると、どうも左の通路には敵がいそうな物音がしている。
 扉の向こうはよく聞き取れないということだったので、一行が選んだのは、水音がするという右の通路であった。
 通路の向こうでは、白い壁のかなり上方に穴が開いており、そこから清浄な水が水路に流れ込んでいることが分かった。

「おい、ギル。あの穴の横を見ろ」
「うん?」

 幼馴染に促され、ギルも彼の視線を追ってみると、水が出てくる穴の横に、古代文明のものらしいプレートのようなものがはめ込まれている。

「ここからじゃよく分からないな・・・・・・」
「ギル、そういえば一番最初の部屋で、上に通路があったでしょう?どこからか、2階に上がることができるんだと思いますよ。そうしたら、あれも調べられるんじゃないかしら」

 アウロラの台詞に、エディンが首を傾げる。

「だが、あんなに水が流れ落ちてたら調べるのも一苦労だぞ?腰にロープを巻けば、何とかいけるかもしれないが、危険は免れない」
「もっと先に、何かあるのかもしれないな。よし、もう少し進んでみよう」

2012/12/10 19:46 [edit]

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