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遺跡に咲く花 3  

 ジグがわざわざ鍵を自分でかけて、部屋に閉じこもって考え込んでいた石版の仕掛けは、あっという間にジーニが解いてみせた。

ScreenShot_20121112_171417437.png

 爆音とともに石像が壊れるのを、余裕の笑みを浮かべてジーニが見やり、仲間たちが尊敬の念を籠めて彼女を誉める。

「まあね。あたしにかかれば、どってことないのよ」

 だが、すぐ一行を落胆が迎えた。突き当りの部屋には何も見つからなかったのである。

「これで終わり?」

 虚脱したようなリィナの横をすっと通り過ぎ、ジグが「ちょい待ち」と言って、辺りを念入りに調査した。

「あるやないの~」

 ジグが見つけてみせたその穴は、人が一人通れるくらいの大きさで、光が届かないため、どれくらいの深さなのか、見当もつかない。

「これは・・・・・・・・」
「これは、結構深いかもなぁ」

 言葉を切って考え込んでしまったアレクの台詞を、ジグが補足して口に出した。
 こういう時に、空中浮揚などの呪文があれば下りれるかもしれないが、あいにくとジーニの覚えている呪文書のストックにそれはない。
 ロープみたいなものがあれば、というジグの呟きに、一番早く反応したのはアウロラだった。

「あの蔦・・・!」
「ん?ああ、鍵を見つけた部屋の蔦か!」
「あれならロープの代わりになるんじゃないですか?」
「結構丈夫だったしな。よし。いったん戻るぜ」

 アウロラの思い付きを得て、実際に蔦を払った経験のあるギルが言った。
 蔦の多い部屋に戻り、目的の物を必要分だけ手に入れた一行は、急く気持ちを抑えつつ扉に近寄る。
 すると、見覚えの無い蔦が扉にかかっているのを見て、邪魔そうにギルが斧で払おうとした。
 リィナが、蔦であるはずのそれが、ありえない動きでうねったのに気づいて、大声で叫んだ。

「そ、それ、蛇よ!!」

 蔦によく似た色合いの大蛇が三匹、遺跡の中でよほど腹を空かせているのか、牙をむき出しにして襲ってきた。
 常に無く慌てたアレクだったが、【飛礫の斧】の技で、崩れていた遺跡の一部を炸裂させ、つぶてで蛇を怯ませる。

ScreenShot_20121112_172602937.png

 その間に呪文を紡ぎ終わったジーニが、すかさず【眠りの雲】で大蛇たちを眠らせた。後は、多人数を頼りにしたタコ殴りである。
 あっという間に大蛇を退治し終わった一行は、手足の無いものを気持ち悪がるジグを慰めつつ、穴に蔦を垂らしに戻った。

 しかし、ほっとしたのもつかの間。
 「いいアイデア」と喜んだジグが、すぐさま顔色を変えた。
 それは他の面子にもすぐ分かった理由で・・・・・・なんと穴そのものが崩れて蔦が切れてしまい、捕まっていた全員が落ちてしまったのである。

「ぐへっ」
「いった~い。なんなのようっ!」

 リィナの弾力ある尻の下敷きにされたジグを、ミナスとアウロラで助け出し、一行は息をついた。

「みんなは・・・なんとか、無事のようだな」

 ギルが周りを見回して言う。落ちたのは災難だったが、骨折した者もおらず、誰一人としてはぐれなかったのだから、不幸中の幸いという奴だ。
 穴が崩れたのだから、上に戻ることはできない。
 結局、細い通路を進んで先の部屋へでることになった。
 エディンの調べたところ、罠も鍵もないと判断したドアを開ける。

「これは・・・」

 アウロラが、呆然として呟いた。
 赤いケーブルに繋がれた無数の水槽らしき物が、部屋のあちらこちらに佇んでいる。
 しかし、どの水槽も空だ。

「この部屋は何や・・・?」

 警戒信号に何か灯っているのか、今までに無く鋭い目で辺りを探るジグの言葉に、ミナスが言った。

「これは・・・水槽なのかなあ?」
「あっ!見てっ・・・・・・あの真ん中の水槽!」

ScreenShot_20121112_180258484.png

 リィナが指さす先に、たった一つだけ、紫の花のようなものがおさまった水槽がある。
 自分が聞いたフィロンラの花の特徴とそっくりだ、と主張するリィナに、ジーニが太鼓判を押した。

「文献で見たのと同じね。間違いないと思うわ」
「培養が難しいってのは、環境に弱いってことか・・・?あの水槽から、出しちまって問題ないのかよ?」
「エディンの心配ももっともだけど・・・あの馬鹿でかい水槽ごと持ってくのは、無理よ」
「もうひとつ、注意すべきだろ」

 ぼそりとアレクが言う。

「古代文明期の研究室だ・・・どんな仕掛けがあるか分からん。できる備えはした方がいいんじゃないか」

 彼の台詞に、ジーニとアウロラ、ミナスがそれぞれ補助魔法をかけることにした。ミナスに至っては、【雪精召喚】でスネグーロチカを呼び出している。
 できれば、この準備がさして意味の無い行動であればいいが・・・と思いながらも、エディンは覚悟を決めて水槽を割った。
 ふわりと紫色のフィロンナの花が、エディンの手元に落ちる。
 しばらく警戒したが、何の反応も無い。
 胸を撫で下ろしたアウロラがきびすを返し、他の仲間に呼びかけようとした、その瞬間。

「な、何っ!?」

 リィナが驚きの声をあげ、その小さなガーディアンたちを見やった。
 アウロラが彼女を庇いながら叫ぶ。

「気をつけて、蜂よ!」

2012/12/01 08:25 [edit]

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