Sat.

機械仕掛けの番犬 3  

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 最初のスチームドッグ3体は苦もなく退けた一行だったが、2回目のスチームゴブリンから少々手こずり始めた。
 しかし、アウロラやジーニの後方支援たちが怪我を負いつつも、4ラウンド目には残り2体にまで数を減らし、その後も順調に攻撃を繰り返すことで勝利する。

 ゆっくり休憩をとった一行が最後の実験に赴くと、そこに現れたのは・・・。

「この子はスチームサイクロプス。武器のこん棒はセットしてないけど、そのパワーは強烈よ。充分気をつけてね」

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 妙に誇らしげなファランの言葉に応じるように、口から蒸気を吹き出し、背丈が2mをゆうに超えるスチームゴーレムが現れた。

「それじゃ、第三回目、いってみましょう!」

 初っ端に鎧の薄いジーニが負傷を強いられたものの、運良くアウロラの法術を事なきを得、ミナスの放つ【雪精召喚】がスチームサイクロプスの行動力を激減させる。
 熱せられた金属の体に、魔法のすさまじい冷気が功を奏したらしい。
 さらに畳み掛けるように土の野人・ファハンが敵の足止めを行い、ギルが斧を振りぬいて放った【暴風の轟刃】が、トドメとばかりに叩き込まれた。
 遠距離から斧で放たれた闘気交じりの竜巻が堅い体に大きな亀裂を作り、そこから一気に蒸気と魔法力が漏れた。

『グワシャ!! ガスン!!』

 スチームサイクロプスは、しりもちをついて仰向けに倒れ、そのまま動かなくなった。
 ファランが、心底感心したように口を開く。

「・・・すごいわ。未完成とはいえ、スチームサイクロプスを倒すなんて。貴重なデータが取れたわ。・・・ありがとう」

 客室で休憩をとった一行のもとに、地下室の後片付けを行なったファランがやってきた。

「ご苦労様。実験はこれでおしまい。でも本当にすごいわ。私が言うのもなんだけど、スチームサイクロプスは並みの人じゃ倒せないわよ」
「なーに、こっちには、優秀な精霊使いがついててくれたからな」

と言って、ギルが得意そうに胸を張ったミナスの頭を撫でる。
 ジーニがじろっとそれを横目で見やり、杖の髑髏の部分でギルの背中を突付いた。

「ああら、ろくな防具も持たない仲間を守ってくれたのは、誰の魔法だっけー?」
「いてて!も、もちろん、ジーニ様の【魔法の障壁】ですって!感謝してるって!」

 その様子を見て弾かれたようにファランが笑い声を上げ、他の仲間達も苦笑交じりに笑った。
 なんとか笑いを治めたファランが、報酬のことを口にした。

「1000、払わせてちょうだい。あなた達のファイトには敬服したわ。データを取るのが大変だったけどね」

 一行は報酬を受け取った。
 その時、玄関の扉が開き、誰かが歩いてくる音が聞こえた。
 ファランが露骨に嫌な顔をした。

「げ・・・。なんで今日、帰ってくるの?!まっずぅ・・・」
「え。どうかしたの、ファラン?仲の悪い兄弟か何か?」
「それとも、無心に来た親戚とかですか?必要なら、私たちも同席しますけども」

 どこか慌てた雰囲気の依頼人に、すっかり打ち解けた様子でジーニとアウロラが女性同士の連携とばかりに声をかける。

「いえ、そういうんじゃ・・・」
「ルーシー!ルーシー!!」

 男の声が聞こえた。・・・足音が段々近づいてくる。

(ははあん。さては・・・・・・。)

 その短いやり取りである程度の事情を察したエディンは、ただ静かにその時を待つことにした。
 緑色のローブをまとったがっしりした体の男性は、エディンの予想通り「本物の」ファラン・ディトニクスだった。
 今まで一行と接していた若い依頼人は、ルーシェランという名の彼の娘だという。
 一行は客室から屋敷の応接室へと通されていた。

2012/11/17 05:05 [edit]

category: 機械仕掛けの番犬

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