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Sun.
ネルカ城砦跡 4 
「・・・っく、ビボルダーまで出てくるとはなあ」
「雑魚のスケルトンはアウロラの歌のおかげですぐ終わったけど・・・厄介だったね」
【活力の法】で麻痺の効果から体をほぐしたギルにミナスが駆け寄り、残った怪我が無いかを確かめつつため息をついた。
アレクの心配は的中し、”金狼の牙”たちは普段であれば何でもないクラスの敵に手こずらされている。

へにょんと破裂した風船のようになったビボルダーの亡骸を蹴飛ばし、エディンは奥へ続く暗闇を照らした。
「・・・なんか落ちてやがんな」
宝箱にすら入っていないそれを怪しみ、何かの仕掛けが部屋に施されていないか警戒したエディンだったが、あいにくと不審な点は見当たらなかった。
問題ないだろうと拾い上げると、それはかつてリューンの下水道において拾い上げた護符にそっくりな形状をしている。

ただ違うのは、側面にルーンらしきものが刻まれている点であった。
「アレク、ジーニ。読めるか・・・?」
「どれだ・・・?」
「ん?どうしたの?」
ルーン文字を修めている2人が覗き込むも、その効果は分からない。
ジーニが唇をやや尖らせるようにして言った。
「宝箱にも入れてない、ってことは、誰かが直接これを使ってたんじゃないかな。何かのコントローラーとか・・・」
「詳細は分からないが、確かにルーンの綴りの中にはそういう意味も含まれているな」
現在、装備として違う首飾りをアウロラとアレクが身につけている。
誰がつけるべきかとやや悩んでいると、ミナスが頂戴という形に手を伸ばした。
「僕つけてみたい!」
「え・・・えー・・・?」
具体的な効果が不明なままだったのでエディンは躊躇ったが、ジーニが「やらせてあげなさいよ」と口を出したため、エルフの少年は嬉々としてそれを首にかけた。
フェニックスの装飾がされた腕輪に、純金製の指輪。そして六芒星の描かれた首飾り――。
ジャラジャラと装飾品だらけになってしまったミナスを見て、うーんとアウロラが唸った。
「鎧を身につけるよりはいいかもしれませんけど・・・」
「なんかなあ。段々エルフのイメージと離れてきたな」
ギルがつんつんと立っている黒髪を掻いた。
とりあえず拾った装飾品には即効性の効果は無いようなので、”金狼の牙”たちは警戒しつつ北へと進むことにした。
途中、返り血で染まったのか赤くなったスケルトンのようなアンデッドが現れるも、【浄福の詠歌】で魂を天へと導かれる。
喉を押さえてアウロラが呟く。
「・・・・・・ふぅ。ずいぶんと死に切れなかった者が多いようですね」
「お疲れさん。≪魔法薬≫とかあるからな。辛かったら言ってくれよ」
ギルが軽く彼女の肩を叩いて労った。
ランタンをかざしたエディンが「お!」と声をあげて足を進める。
彼の視線の先には、鉄製の宝箱があった。
エナジードレインという魔法的仕掛けの罠を見抜いたエディンは、ひときわ細く硬い針金を取り出し、蓋の一部に差し込んだ。

微細な動きを繰り返すと、がちゃりと罠の外れる音がする。
「お、でかい宝石」
エディンが手に乗せた宝石をジーニが鑑定する。
「綺麗なアクアマリンじゃないの。特別な効果はないけど、売ったら結構高いわよ」
「さて行こうか・・・・・・っ!?」
エディンが素早く≪スワローナイフ≫を抜き放ち、ジーニの横へと投げつけた。
死角から襲い掛かろうとしていたスケルトンのうち、一体を仕留める。
だがもう一体は、ゆらゆらとした動きで暗闇の向こうへと消えていこうとしている。
スケルトンは雑魚だが、この城砦地下でうろつかれるのはあまり嬉しい事ではない。
咄嗟にそのまま追いかけると、ビボルダーやもう一体出てきたスケルトンが待ち構えていた。
「ちっ!」
鋭く舌打ちしたギルが斧を構えた、その瞬間。
一行の後ろのほうにいたミナスの胸元から、真っ白な光がビボルダーへと突き刺さる。
「わっ!?」

驚きの声をあげるミナスをよそに、ネルカの護符から溢れた光を受けたビボルダーは、その奇怪にくねる動きを止めた。
「なーるほど、そういう物だったのか」
ギルが感心した声をあげる。
仲間が首から提げた護符は、魔法生物のコントローラーだった・・・ということである。
残ったスケルトンを苦もなく破壊すると、彼らは残りの場所の探索にかかった。
「雑魚のスケルトンはアウロラの歌のおかげですぐ終わったけど・・・厄介だったね」
【活力の法】で麻痺の効果から体をほぐしたギルにミナスが駆け寄り、残った怪我が無いかを確かめつつため息をついた。
アレクの心配は的中し、”金狼の牙”たちは普段であれば何でもないクラスの敵に手こずらされている。

へにょんと破裂した風船のようになったビボルダーの亡骸を蹴飛ばし、エディンは奥へ続く暗闇を照らした。
「・・・なんか落ちてやがんな」
宝箱にすら入っていないそれを怪しみ、何かの仕掛けが部屋に施されていないか警戒したエディンだったが、あいにくと不審な点は見当たらなかった。
問題ないだろうと拾い上げると、それはかつてリューンの下水道において拾い上げた護符にそっくりな形状をしている。

ただ違うのは、側面にルーンらしきものが刻まれている点であった。
「アレク、ジーニ。読めるか・・・?」
「どれだ・・・?」
「ん?どうしたの?」
ルーン文字を修めている2人が覗き込むも、その効果は分からない。
ジーニが唇をやや尖らせるようにして言った。
「宝箱にも入れてない、ってことは、誰かが直接これを使ってたんじゃないかな。何かのコントローラーとか・・・」
「詳細は分からないが、確かにルーンの綴りの中にはそういう意味も含まれているな」
現在、装備として違う首飾りをアウロラとアレクが身につけている。
誰がつけるべきかとやや悩んでいると、ミナスが頂戴という形に手を伸ばした。
「僕つけてみたい!」
「え・・・えー・・・?」
具体的な効果が不明なままだったのでエディンは躊躇ったが、ジーニが「やらせてあげなさいよ」と口を出したため、エルフの少年は嬉々としてそれを首にかけた。
フェニックスの装飾がされた腕輪に、純金製の指輪。そして六芒星の描かれた首飾り――。
ジャラジャラと装飾品だらけになってしまったミナスを見て、うーんとアウロラが唸った。
「鎧を身につけるよりはいいかもしれませんけど・・・」
「なんかなあ。段々エルフのイメージと離れてきたな」
ギルがつんつんと立っている黒髪を掻いた。
とりあえず拾った装飾品には即効性の効果は無いようなので、”金狼の牙”たちは警戒しつつ北へと進むことにした。
途中、返り血で染まったのか赤くなったスケルトンのようなアンデッドが現れるも、【浄福の詠歌】で魂を天へと導かれる。
喉を押さえてアウロラが呟く。
「・・・・・・ふぅ。ずいぶんと死に切れなかった者が多いようですね」
「お疲れさん。≪魔法薬≫とかあるからな。辛かったら言ってくれよ」
ギルが軽く彼女の肩を叩いて労った。
ランタンをかざしたエディンが「お!」と声をあげて足を進める。
彼の視線の先には、鉄製の宝箱があった。
エナジードレインという魔法的仕掛けの罠を見抜いたエディンは、ひときわ細く硬い針金を取り出し、蓋の一部に差し込んだ。

微細な動きを繰り返すと、がちゃりと罠の外れる音がする。
「お、でかい宝石」
エディンが手に乗せた宝石をジーニが鑑定する。
「綺麗なアクアマリンじゃないの。特別な効果はないけど、売ったら結構高いわよ」
「さて行こうか・・・・・・っ!?」
エディンが素早く≪スワローナイフ≫を抜き放ち、ジーニの横へと投げつけた。
死角から襲い掛かろうとしていたスケルトンのうち、一体を仕留める。
だがもう一体は、ゆらゆらとした動きで暗闇の向こうへと消えていこうとしている。
スケルトンは雑魚だが、この城砦地下でうろつかれるのはあまり嬉しい事ではない。
咄嗟にそのまま追いかけると、ビボルダーやもう一体出てきたスケルトンが待ち構えていた。
「ちっ!」
鋭く舌打ちしたギルが斧を構えた、その瞬間。
一行の後ろのほうにいたミナスの胸元から、真っ白な光がビボルダーへと突き刺さる。
「わっ!?」

驚きの声をあげるミナスをよそに、ネルカの護符から溢れた光を受けたビボルダーは、その奇怪にくねる動きを止めた。
「なーるほど、そういう物だったのか」
ギルが感心した声をあげる。
仲間が首から提げた護符は、魔法生物のコントローラーだった・・・ということである。
残ったスケルトンを苦もなく破壊すると、彼らは残りの場所の探索にかかった。
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