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Wed.

護衛求む 4  

 2日目。
 朝食を宿で片付け、さっそく出発した一行だったが、その目は昨日以上に鋭く辺りを睥睨していた。
 あの盗賊の首領が只者ではないだろうとは、昨夜の雑談の時に話が出ている。
 慎重に進むしかなかった。
 
 昨日と同じ射撃の罠、と思いきや爆弾と二重の罠だったり、ウィードの群れに行く手を遮られたりしながらも、一行は小川の休憩地点へと進んでいった。

「ひどいことするなあ・・・動物の居ない森になったら、どうするんだよ」

 エルフ族であるミナスにとって、森は友達に等しい。爆弾の罠も、どうしても外せないから爆発させると言うエディンに、最後までどうにかできないのかと食い下がったのは彼である。
 こんな風に森を傷つける野盗に、怒りがおさまらないのは当然だった。
 悔し涙を浮かべるミナスをアウロラが宥めるも、腹が立っているのは彼女も同じだった。
 やりきれない気持ちを抱えつつも、一行は倒れこむように小川まで辿り着いた。

「とりあえず、少しでも長く休もうぜ・・・・・・」

 白皙の頬についた傷から血を滲ませながら、アレクは仲間に提案した。
 どっかりと腰を下ろし、武器の具合を確かめ始める。
 その様子を眺めたギルも、背中合わせにアレクと同じ岩に座り込み、自分のブーツの紐を結び直し出した。
 他の者も、思い思いに休み始める。
 そしてどうにか、完全とは言えずとも、一行は体力を回復した。

「・・・・・・ふう。生き返ったぜ」
「・・・お疲れ」

 思わず呟いたエディンの肩を、がっしりとしたギルの手が叩いた。
 
「おいおい、よせよ。まだ終わってないんだぜ」

 苦笑したエディンが、続けて「気を引き締めて・・・」と言おうとすると、恐怖と苦痛に満ちた叫び声が森の奥から上がった。

「な、何!?」

 珍しく動揺しきったジーニの隣で、耳を澄ませていたエディンはある方向を指差した。

「そんなに遠くないぞ!あの声は・・・まさか!」
「待って下さい!罠かも・・・!」
「いや・・・それはない。あれは・・・演技じゃない!」

 全員が、ギルのほうを見た。

「・・・行くぞ!」

 そして走り出した一行を出迎えたのは、あの野盗の首領と・・・それを抱きかかえるようにした、エントの姿だった。
 エントがゆっくり力を込めると、べきべきと骨の砕ける嫌な音が響いた。

「・・・・・・!」

 ミナスが嫌悪感に顔を歪めつつも、周りを見渡す。
 辺りには、野盗の仲間が転がっていた。すでにピクリとも動きを見せる様子はない。
 やがて、体中の骨が砕けた首領を、エントが飽きた人形を捨てるように投げた。

「がはっ!!」
「マダ居タカ、人間メ・・・・・・」

 他の仲間が驚き、立ちすくむ中、ミナスの小さな体が前に進んだ。
 彼は精一杯の声を張り上げて、精霊語で呼びかける。

「エント、森の精霊よ。君達の怒りは、僕にはよく分かる・・・。でも、こんなことしちゃいけないんだ!君たちまで血に汚れちゃダメなんだよ!」
「傲慢ナ人間ドモメ・・・我ラ精霊ハコレ以上、オ前達ノフルマイヲ許スワケニハイカナイ・・・」
「エント、お願い僕の話を聞いて!」
「無駄だ、下がれミナス!」

 アレクがミナスの肩を掴んで、後方へと押しやる。ギルが依頼人に向かって叫んだ。

「ローンさん、俺から離れないで!」
「は、はい!」

2012/11/07 03:20 [edit]

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