Wed.
護衛求む 1 
いつもと変わらぬ、狼の隠れ家・・・・・・。
それを見つけたのは、一行の癒し役であるアウロラだった。
「あら」
彼女は壁に貼ってある張り紙をはがして、カウンターまで持っていった。
「親父さん、この依頼なんですけど」
「ああ、それか・・・見たとおり、護衛の依頼だよ」
「ん、新しい仕事?」
不意に可愛らしい声があがり、アウロラが周りを見ると、仲間たちが後ろから張り紙を覗き込んでいた。
質問をしたのは、幼いエルフであるミナスだろう。すっかり旅に出るものだと思い込み、目をキラキラさせている。
その様子に苦笑した親父さんは、ゆったりと話を続けた。
「その依頼は、ある行商人からのものだ。村まで行商に行きたいから、行きと帰りで護衛してほしいらしい」

「護衛か・・・よくある依頼ね」
ジーニが呟く。
よくある、という割りに口調が苦いのは、以前に、葡萄酒運びの護衛で山賊とやりあった経験があるからだろう。行商人の道行きの危険性はよく分かっていた。
「まあ、そうだな。どうだ、手ごろな依頼だと思わないか?」
「その依頼人が、またこっちに何かを黙ってたりしなきゃな」
一行の荷物の中身を思い出しながら、エディンが笑った。
前の経験を引きずるのも先入観があっていけないが、何の警戒もしないのも良くない。
エディンと顔を見合わせたジーニはまず報酬を、濃藍の瞳を輝かせたままのミナスは道のりを、それぞれ宿の親父さんに聞いた。
「400spか。少なめよね~」
「ただし宿代は向こうもち、か」
「トレセガ街道って、僕初めて聞いたよ!どんなとこだろう!」
「ま、目的地のフォーン村までは丸一日って言うし、手ごろじゃねーか?」
「街道に出るのは野生動物や盗賊・・・・・・。まあ、確かに私たちなら何とかなりそうですね」
ワイワイと円陣を作って騒ぐ仲間達を横目に、エディンが出発日時と依頼人について尋ねる。
依頼人は堅実な商人で何度かこの宿でも依頼を受けていること、明日の朝に出発予定であることを確認すると、エディンは荷物に不備はないことを加えて、リーダーに報告した。
「やるよ。別に変な仕事じゃないみたいだしな!」
ギルはにやりと笑って、アウロラから手渡された張り紙を振り回した。
それを見つけたのは、一行の癒し役であるアウロラだった。
「あら」
彼女は壁に貼ってある張り紙をはがして、カウンターまで持っていった。
「親父さん、この依頼なんですけど」
「ああ、それか・・・見たとおり、護衛の依頼だよ」
「ん、新しい仕事?」
不意に可愛らしい声があがり、アウロラが周りを見ると、仲間たちが後ろから張り紙を覗き込んでいた。
質問をしたのは、幼いエルフであるミナスだろう。すっかり旅に出るものだと思い込み、目をキラキラさせている。
その様子に苦笑した親父さんは、ゆったりと話を続けた。
「その依頼は、ある行商人からのものだ。村まで行商に行きたいから、行きと帰りで護衛してほしいらしい」

「護衛か・・・よくある依頼ね」
ジーニが呟く。
よくある、という割りに口調が苦いのは、以前に、葡萄酒運びの護衛で山賊とやりあった経験があるからだろう。行商人の道行きの危険性はよく分かっていた。
「まあ、そうだな。どうだ、手ごろな依頼だと思わないか?」
「その依頼人が、またこっちに何かを黙ってたりしなきゃな」
一行の荷物の中身を思い出しながら、エディンが笑った。
前の経験を引きずるのも先入観があっていけないが、何の警戒もしないのも良くない。
エディンと顔を見合わせたジーニはまず報酬を、濃藍の瞳を輝かせたままのミナスは道のりを、それぞれ宿の親父さんに聞いた。
「400spか。少なめよね~」
「ただし宿代は向こうもち、か」
「トレセガ街道って、僕初めて聞いたよ!どんなとこだろう!」
「ま、目的地のフォーン村までは丸一日って言うし、手ごろじゃねーか?」
「街道に出るのは野生動物や盗賊・・・・・・。まあ、確かに私たちなら何とかなりそうですね」
ワイワイと円陣を作って騒ぐ仲間達を横目に、エディンが出発日時と依頼人について尋ねる。
依頼人は堅実な商人で何度かこの宿でも依頼を受けていること、明日の朝に出発予定であることを確認すると、エディンは荷物に不備はないことを加えて、リーダーに報告した。
「やるよ。別に変な仕事じゃないみたいだしな!」
ギルはにやりと笑って、アウロラから手渡された張り紙を振り回した。
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