Wed.

護衛求む 1  

 いつもと変わらぬ、狼の隠れ家・・・・・・。
 それを見つけたのは、一行の癒し役であるアウロラだった。

「あら」

 彼女は壁に貼ってある張り紙をはがして、カウンターまで持っていった。

「親父さん、この依頼なんですけど」
「ああ、それか・・・見たとおり、護衛の依頼だよ」
「ん、新しい仕事?」

 不意に可愛らしい声があがり、アウロラが周りを見ると、仲間たちが後ろから張り紙を覗き込んでいた。
 質問をしたのは、幼いエルフであるミナスだろう。すっかり旅に出るものだと思い込み、目をキラキラさせている。
 その様子に苦笑した親父さんは、ゆったりと話を続けた。

「その依頼は、ある行商人からのものだ。村まで行商に行きたいから、行きと帰りで護衛してほしいらしい」

ScreenShot_20120920_040433671.png

「護衛か・・・よくある依頼ね」

 ジーニが呟く。
 よくある、という割りに口調が苦いのは、以前に、葡萄酒運びの護衛で山賊とやりあった経験があるからだろう。行商人の道行きの危険性はよく分かっていた。

「まあ、そうだな。どうだ、手ごろな依頼だと思わないか?」
「その依頼人が、またこっちに何かを黙ってたりしなきゃな」

 一行の荷物の中身を思い出しながら、エディンが笑った。
 前の経験を引きずるのも先入観があっていけないが、何の警戒もしないのも良くない。
 エディンと顔を見合わせたジーニはまず報酬を、濃藍の瞳を輝かせたままのミナスは道のりを、それぞれ宿の親父さんに聞いた。

「400spか。少なめよね~」
「ただし宿代は向こうもち、か」
「トレセガ街道って、僕初めて聞いたよ!どんなとこだろう!」
「ま、目的地のフォーン村までは丸一日って言うし、手ごろじゃねーか?」
「街道に出るのは野生動物や盗賊・・・・・・。まあ、確かに私たちなら何とかなりそうですね」

 ワイワイと円陣を作って騒ぐ仲間達を横目に、エディンが出発日時と依頼人について尋ねる。
 依頼人は堅実な商人で何度かこの宿でも依頼を受けていること、明日の朝に出発予定であることを確認すると、エディンは荷物に不備はないことを加えて、リーダーに報告した。

「やるよ。別に変な仕事じゃないみたいだしな!」

 ギルはにやりと笑って、アウロラから手渡された張り紙を振り回した。

2012/11/07 03:12 [edit]

category: 護衛求む

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