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満腹食堂の大戦 5  

 最初のターンで、ウルシュによる【眠りの雲】でアレクとジーニが眠り込んでしまったものの、ミナスの召喚したイフリートの息吹は、並み居るオークたちをまとめて吹き飛ばした。

ScreenShot_20130301_031611500.png

「なんですって!?」

 【炎の玉】に迫る勢いの火炎に、ウルシュが動揺の声をあげる。

「ハイハイ、余所見は危ないぜ・・・?」
「あいにくだったなあ!焼かれるのはそっちだよッ!」
「くぅ!」

 エディンのレイピアがインプの胴体を貫き、ギルの斧がウルシュの体を凪ぐ。
 白いローブに血が滲んでいくのにかまわず、ウルシュは宣言どおりに【炎の玉】の呪文を紡いでいく。

「熱の暴威、漲る地獄の業火をここに・・・!」
「させません!」

 アウロラの【信守の障壁】が、ウルシュの詠唱よりも一瞬早く仲間たちを覆っていく。
 はたしてウルシュの手から放たれた焔が鎮まった時、そこにはかすり傷を負っただけの冒険者達が立っていた。

「なんて奴ら・・・!インプの馬鹿たれ、話が違うじゃないの!」
「よくも騙したな!」

 モルヴァンの怒りの一撃が、倒れ掛かった魔女に決まった。

「ウルシュ様・・・お使いついでに薮蛇でした・・・」
「馬鹿インプ・・・」

 倒れ伏している魔女と使い魔を見下ろしつつ、モルヴァンは暢気な台詞を吐いた。

「報酬は2倍かぁ。まあ、とりあえず回復を・・・ん・・・?」
「? この気配は!?あぶないッ!」

ScreenShot_20130301_032517546.png

 ミナスのあげた声に反応したのは、エディンが一番早かった。
 倒れているウルシュをとっさに抱え込む。
 その背中を、奥の部屋から飛び出してきた炎の弾丸が焼き焦がした。
 モルヴァンが駆け寄る。

「サラマンダーの吐息!大丈夫か!?」

 いつも眠たげな顔に苦痛を紛らわせながら、エディンは返事をした。

「つう~・・・・・・。アウロラの援護魔法が掛かりっぱなしで、助かったぜ」
「!? 私を庇って??」

 エディンの意外と広い背中に出来た火傷を、ウルシュの手が気遣わしげに這った。
 男が片目を瞑ってからかうように言う。

「仕方ねえだろ、体が動いたモンはよ。一応、いい女庇うのは男の役割だからな」
「ウルシュ様、奴です!」

 インプが転げるように魔女の膝へ移動し、泡を食ったように叫ぶ。ウルシュが呻いた。

「魔族、ナウネル・・・」

 小さな妖精のような体を持ちながら、その全身を覆うのは酷く冷たく黒々とした悪意。
 しわがれた聞き覚えのある声が、その場に響いた。 

「くくく、ふはははははははは。再び礼を言わねばならん、愚かなる人間の愚者の中でも取り立てて愚かな愚かなる冒険者どもよ!!」
「お前、それ愚か言い過ぎてゲシュタルト崩壊起こしてるぞ」

 ギルはツッコミを入れつつも、油断なく敵に対していた。
 魔族の台詞に、ウルシュがエディンを見上げてかすり傷であることを確認すると、かつて己が封じた存在へ顔を向けた。

「再び・・・?チッ、流れ弾で封印が壊れたのね。でも大丈夫。封印は二重よ。片方が壊れただけなら、私が押さえこめる」
「ところが頼みのスペアは、ここへ来る途中に派手に砕け散ったんだよな・・・」

ScreenShot_20130301_033722093.png

 エディンの言葉に、ウルシュがさー・・・っと青褪めていく。

「・・・嘘・・・嘘よね・・・こいつの力は一国を滅ぼせるのよ・・・」
「ハハハハハッ、愚かなるウルシュ!我を封印せし愚かなる過ちの償いを今、愚かにも受けるがいいッ!愚かなるウルシュを前菜に愚かな貴様ら全員の愚かなる生き血をすすってくれようぞ!」

 哄笑する魔族を前に、エディンはぺろりと唇を舐めた。

「・・・こいつ、言うだけの力はあるな・・・」
「・・・・・・、ここは俺が食い止める。お前たちは各国の王に警戒を求めて散れ!」

 モルヴァンが己の得物を構え直しながら言った。
 青褪めたままではあったが、こくりと小さくウルシュも頷く。

「そうね・・・それが正解よ。わたしが食い止めるから、愚かな食い意地じじいもさっさと逃げなさい」

 ナウネルの魔力と、魔族が召喚した火精の吐息が吹き付ける中、ウルシュは険しい足取りで起きあがった。

「フッ、今度は愚かなる庇いあいか。まあいい。愚かに逃走しろ。これから長きに渡る大殺戮の中に、逃げ延びたお前たちの愚かな死も必ずや含まれるだろうがな・・・」
「形容詞が一個しかないようなアッタマ悪い魔族に、負けてられるわけないでしょ」

 ジーニは、ナウネルの言動に疑いを持った。
 魔族にしては冗長過ぎないだろうか?影とはいえ、倒された傷がまだ癒えていないのではないか?
 ならば、望みがある。

2013/03/01 22:06 [edit]

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