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Sat.

爆弾仕掛けの番犬 4  

 ナプルが落とした鍵を使って最後の扉を開くと、そこにはすっかりイライラした様子のキャシーが立っていた。
 ルーシーの姿をその薄茶色の双眸で捉え、ほっとした様子で言う。

「ふふふ、来たわねルーシー」

ScreenShot_20130221_023157328.png

 ぶん、と人差し指を突きつける。

「三体全部の爆弾を解除するなんて、優秀な冒険者を雇ったのね。それでこそ、倒しがいがあるというものだわ・・・」
「キャシー、あなたその泥棒にそそのかされてるんじゃないの?いくらあなたが私の事を嫌いでも、こんな馬鹿な真似はしないと思ってたんだけど・・・」
「馬鹿な真似とは何よ!あなたの嫌がる様子を見るのが、私の日課のひとつなだけよ!」
「な、なんか気味悪いわ。それ以上近寄らないでね」

 鳥肌の立ったルーシーが、ささっとアウロラの法衣姿の後ろに隠れる。

「ち、ちがっ・・・変な意味じゃなくて!えーと・・・そ、そうだわ!ライバルを蹴落とそうとするのは当然の行動でしょ!」
「誰がライバルなのよ。私の真似したり、邪魔したり・・・ゴーレムの研究だって道楽でやってるだけのクセに」
「うっ・・・」
「否定しないのかよ」

 ギルはがっくり肩を落とした。
 キャシーが子犬のようにキャンキャン高い声で反論する。

「い、いいじゃない道楽でも!あなたのより優秀なゴーレムを作ったんだし!」
「開き直ったわね。それに私のゴーレムより優秀?ウッドゴーレムが?」
「そうよ!庶民でも買えるように生産性を高くそれでいて性能は低くなく!これこそ究極のゴーレムよ」
「でも、火には弱そうだけど?」
「うっ・・・!い、いいじゃないの!火事場で使わなければ済む話だわ!あなたのゴーレムなんて、重いわ暑苦しいわ――」

 途中からアレクは遠い目になっていた。早く≪狼の隠れ家≫に帰って、雪で冷やした葡萄酒を一杯熱い暖炉の前で楽しみたい。

「なんですって!そもそもゴーレムってのはねぇ・・・」
「いつまで続くんでしょうか・・・」

 ギルの予測と反して、その時間はけっこう長かった。
 焦らしすぎは身体に良くないんだな、と自省してももう遅い。

「こうなったら決着をつけるしかないようね!カモン、ウッディ!」
「馬鹿のひとつ覚えね!・・・さぁ、こっちもお願いするわ」
「はいはい・・・」

 ジーニはかなりいい加減に返事をした。15分少々くらいの議論であったが、軽く一時間は待たされた気がしているのはどうしてだろう。

「そしてナプルさんも頼みますわよ!前払い分は働いてくださいね!」
「はいよっと。大泥棒の意地を見せないとな」

 こうして始まった戦闘だったが、キャシーの劣勢は火を見るより明らかだった。
 戦い慣れていない令嬢の指揮では、しょせん冒険者たちの変幻自在臨機応変の戦術には対応し切れなかったのだ。
 おまけに前準備をしっかりした上で人質モドキもいないとなれば、

ScreenShot_20130221_024506359.png
ScreenShot_20130221_024625718.png

「きゃあっ!」
「つ、強い・・・」

となるだけであった。

「こ、この私が・・・負けるなんて」
「人の邪魔ばっかりしてるからこういうことになるのよ」
「さて・・・ルーシー、この二人をどうする?」

 ナプルですら縄抜けできないよう、きっちりロープで縛り上げたエディンが立ち上がって依頼主に問う。

「へっ、煮るなり焼くなり好きにしろってんだ!」
「に、煮るですって!?冗談じゃないわ!私はドーン家の令嬢なのよ!どうせならちゃんと裁判に・・・」

 すわ拷問かと額に冷や汗をかいたキャシーがそう主張を始めた。
 ルーシーが困った顔で言う。

「裁判にかけても、泥棒の方はともかくキャシーはね・・・最悪、罪に問われないかも」
「言い逃れされるのが落ちということですか?」
「・・・その泥棒に脅されて仕方なくやったって方向で裁判が進む可能性は高いわ」
「本当ですか」

ScreenShot_20130221_025259312.png

 やれやれと言った態でアウロラが嘆く。だが、いつもの調子を取り戻したような表情に戻ったルーシーが、不意にいいことを思いついたらしく右手の人差し指をびっと立たせて言った。

「だからそうねぇ・・・キャシーにはその身体で罪を償ってもらいましょうか」
「身体!?そ、そんな・・・・・・」

 愕然としたキャシーの表情を見て、ルーシーは釘を刺した。

「・・・ちょっと、変なこと考えてない?身体でって言うのは、半年間、私の助手をしろってこと。もちろん無償でね」
「は・・・?じょ、助手?そんなんでいいの?なんだ、怖がって損したわ」
「わかってないわね・・・スチームゴーレムの整備は全部あなたの仕事になるのよ。新作ゴーレムの実験体になるのもあなただし、壊れたゴーレムを直すのもあなたの仕事よ!」
「ま、マジで?私死んじゃうかも・・・」
「あなたが死んだらフレッシュゴーレム(肉人形)にでもしてあげようかしら・・・うふふ」
「た、助けて~!何でも言うこと聞くからフレッシュゴーレムだけはイヤァ!」

 ついさっきまでの雇い主の情けない姿を見ながら、ナプルは呟いた。

「・・・・・・ゴーレムを盗んだ時点でおさらばするんだったなぁ」

 その後、ウーノにかけられた音声伝達魔法をキャシーに解かせたり、ナプルを連行したりと後処理を終え、”金狼の牙”は宿に帰還した。
 そして銀貨1200枚の追加報酬(キャシー撃退の300枚含む)と、ゴーレムを全て取り戻した礼と言う事でスチームゴーレムの≪スチーノ≫を受け取った。

ScreenShot_20130221_030024046.png

 なんでもこの新しいゴーレム、敵に噛みついてその動きを止めてくれるらしい。
 簡単な整備の仕方をエディンとミナスが覚えると、ルーシーは「縁があったらまた会いましょ」と言って去っていった。
 その後のキャシーは、本当に半年間ルーシーによってこき使われたらしいが、それは冒険者たちの関与する事ではない。

※収入1500sp、≪スチーノ≫※

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■後書きまたは言い訳
43回目のお仕事は、ゾンビ怖いさんのシナリオで爆弾仕掛けの番犬です。groupAskシナリオ・機械仕掛けの番犬の続編を意識した作品で、まさかのルーシー三度目の登場。

ReadMeにはあまり詳しい設定とかは書かれていませんが、キャシーの家はきっと騎士団だの議会だのそういうところのお偉いさんに鼻薬を利かせてるんでしょうね。でもまあ、だからって暴走して責任取らずに過ごせるほど、人生は甘くなかった・・・ということで。
ナプル共々、個性あるキャラクターでした。どこかで再登場するかしら。(笑)
頂いたスチーノ君ですが、シナリオで合計6回まで稼動可能で呪縛が使えます。単独シナリオで呪縛を持っていないキャラクターがキーコード必要になった時とか、有効そうです。

当リプレイはGroupAsk製作のフリーソフト『Card Wirth』を基にしたリプレイ小説です。
著作権はそれぞれのシナリオの製作者様にあります。
また小説内で用いられたスキル、アイテム、キャスト、召喚獣等は、それぞれの製作者様にあります。使用されている画像の著作権者様へ、問題がありましたら、大変お手数ですがご連絡をお願いいたします。適切に対処いたします。

2013/02/23 10:29 [edit]

category: 爆弾仕掛けの番犬

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コメント

公式シナリオのクロスオーバーものってありそうでない?みたいなので、こういうのは貴重ですね。
やっぱり公式のNPCだと固定のイメージがありますし、シナリオ製作者さん側からするとその辺りの調整が難しいんでしょうね。
僕もその内やってみたいなーと思いました。自分とこの冒険者と同じ名前のNPCがいるというのもレアケースだと思うので(笑)

URL | 天河 #- | 2013/02/24 14:57 | edit

コメントありがとうございます♪

天河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、クロスオーバーもっとあっても良いと思うんですが、リプレイにしている作品の他は、「賢者の選択」のクロスオーバー2作品くらいしか心当たりが・・・。
公式NPCは色んな人が知っている分、「こいつはこんなキャラじゃない!!」って反論も当然出てくるんでしょうね。

天河さんのところのキャシーちゃんは可愛いからな~。(笑)
きっと、何か執着するものがあったとしても、こんな回りくどい表現方法は取らないでしょうね。(笑)

こっちのシナリオのキャシーはルーシー大好きらしいですよ。

URL | Leeffes #zVt1N9oU | 2013/02/24 16:20 | edit

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