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Sun.

廃教会の地下 4  

 ジーニは眼前に現れた『バウル』を見て、恐れを振り払うように杖を突きつけた。

「悪いわね。アンタには、ちょっとこのまま斃れてもらうわよ」

 おどろおどろしい、という形容がこれほどまでに似合う怪物も珍しかった。
 リザードマンのような腕、噂に聞くクラーケンのような触手、青白く発光する何か、翼竜のような翼、そして――理性を宿している、蛇のような一つ目。

ScreenShot_20130215_155625875.png

 何よりも恐ろしいのは、『バウル』は他人を傷つけたがらない意思の通じる存在であることだ。

(こんな姿に・・・・・・誰がしたの!?)

 彼女は奥歯をギリリと噛み締めると、【閂の薬瓶】をベルトポーチから取り出して投げる機会を窺う。
 周りに張っていた旋風の護りが怪物の体を削っていくも、傷ついた表皮が泡立ったかと思うと見る見るうちに再生していく。

「こいつ再生もちか!」

 叫んだギルが、金色の斧に夜明けのような輝きを集めて振り抜く。
 ミナスの周りを飛び交っていたスネグーロチカが再生を阻もうとしていた部分が、その攻撃によってごっそりと削られた。
 エディンが様子を見て、反対側に回り込んで【暗殺の一撃】を繰り出した。

「――――――!!!」

 声にならない言葉を放ち、『バウル』が身もだえする。

「わりぃな・・・終わりにしようぜ」
「!?皆、あれ!!」

 エディンが呼び出したスネグーロチカを舞わせながら、怪物の上方を指した。
 理性を宿していた一つ目が怪しく瞬き、凄まじいほどの殺気を凝縮し始める。

「あそこに攻撃を集中させるぞ」
「了解した」

 ギルの指示に、まずアレクが走った。
 剣先を床に打ち込み、飛礫を飛ばす。
 しかし、その飛礫が突き刺さると同時にうねっていた触手が”金狼の牙”たちを薙ぎ倒していく。
 全員が避けられずに吹き飛ばされるが、幸いに重傷を負ったものはいなかった。アウロラは一番防護の少ないエディンに向かい、次の攻撃が来る前にと【活力の法】を唱える。
 ジーニとミナスの召喚した魔法が飛び、風と氷の吹きすさぶ中心へ、飛び上がったギルが攻撃を叩き込みながら叫んだ。

「あと少しだ!」
「【信守の障壁】も、あと少しで切れてしまいますよ!」
「アウロラも攻撃に移ってくれ!」
「・・・・・・仕方ないですね」

 アウロラの右手の人差し指から、聖なる光の弾がまっすぐ打ち出される。
 そのすぐ後に怪物の目から迸る【破壊光線】が放出され、補助魔法の切れた”金狼の牙”が劣勢に立たされた。

「しまった、戦法間違えたか・・・!」

 ギルのその叫びの後、一同の中で立っていたのは風の障壁で自分を護っていたジーニだけだった。

「ふーう。この≪ロマンス盾≫がなきゃ、あたしも斃れてたわね」

 そして不敵な表情で、ぎゅっと手の中の薬瓶を握りこんだ。不思議なワンド(杖)のカードの魔力で、敵の残りの生命力は大体分かっている。

ScreenShot_20130215_162051078.png

「こいつで仕留められなきゃ・・・”金狼の牙”はおしまいね」

 思い切り、詠唱を唱えてから振りかぶった。

2013/02/17 23:41 [edit]

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