Fri.

腐者の洞窟 2  

 洞窟の地図をもらった一行は、用心をしつつ、エディンを前にする隊列を組んで中へ入ったのだが、

「! さっそくか!」

 入って早々、ゾンビたちに強襲されていた。
 幸い、一体しかいなかったので、入り口付近では苦戦しなかったものの、その後も洞窟内の架け橋を渡りきったところで、腐った死者たちが、冒険者たちへと襲い掛かってくる。
 今までの戦いの経験が生かされたのか、誰一人怪我をすることもなく奥へ進むと、行き止まりに宝箱があった。
 早速、エディンが屈みこんで調べる。

「鍵がかかってる。それと毒ガスの罠がある」
「外せそうですか?」
「やってみるよ・・・仕掛けの構造は簡単だな」

 アウロラとやり取りをしてる合間にも、器用な彼の指はとどまることを知らず、

「もう開けても大丈夫だ」

と、あっという間に罠も鍵も解除してしまった。
 ギルがどれどれ、と取り出すと、中から二つのオーブが出てきた。
 それはどちらも林檎よりひとまわり大きいくらいのもので、片方が青、片方がオレンジ色をしていた。
 多分マジックアイテムだろうと思ったギルは、ジーニにそれを鑑定してもらう。

「あら!これは”生命の瞳”ね。こっちのは”魔彩のオーブ”だわ、珍しい」
「どんなアイテムなんだ?」

 興味深そうに覗き込むアレクに、ジーニは興奮で早くなってしまう口調を押さえつつ説明した。

「青い”生命の瞳”は、【生命感知】の魔力が宿ってるの。ようは、生物のオーラを視認できるようになるわけ。”魔彩のオーブ”は、それの魔力版ね。主に魔法の仕掛けを見破るのに使うことが出来るわ」
「なるほど。それは結構便利そうだな」
「でも、永続的なアイテムではないの。そうね・・・篭っている魔力の強さからすると、精々、使えて1~2回がいいところじゃないかしら」
「・・・・・・金になりそうってことは分かった」

 ジーニとアレクの会話を黙って聞いていたギルが、理解不能といった顔でぶすくれているのを、エディンは苦笑して頭を撫でた。
 いきなり発生したゾンビを、何か動かしているものがあるのかもしれない、という憶測に則って、奥へ奥へと進んできた一行だったが、北へ続く通路の向こうは、腐臭の他に、通常のゾンビではない咆哮が聞こえる。
 冒険者たちは、ボス級の敵がいると見て準備を始めた。
 まず、ミナスの【蛙の迷彩】。
 そして、ジーニがしっかりした防具を持たない仲間を心配して購入した、【魔力の障壁】という呪文を唱えた。
 洞窟内の風景に溶け込んだ冒険者たちを、今度は生成された魔法のフィールドが包み込む。
 不可視のこれは、肉体的な攻撃を半減する一方で、魔法に対する抵抗率を一時的に向上させるのだ。
 新たな補助魔法を唱え終わったジーニの向こう側で、今度はミナスがウージョのエルフから教わってきたという、雪精を召喚した。
 今の実力で何度も唱えられるものではないらしく、彼の周りで冷気を発しながら飛び回るスネグーロチカのように、顔が青白くなっている。

「これで、前よりは傷がつきにくくなったわよ。この先には只のゾンビじゃないやつもいそうだからね・・・戦士さんたちの準備は良い?」
「おう。みんな、突っ込むぞ!」

2012/11/02 01:02 [edit]

category: 腐者の洞窟

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