Fri.

謎の地下室2  

 謎の地下室は妙に広く、本棚が置いてある部屋まであった。
 そこを調べていると、ふとアレクの指に硬い物が触れた。

「なんだ、この鍵?」
「さあ・・・とりあえず、もらっておきましょうよ」

 これだけ広いのだ、もしかしたら何かの仕掛けもあるのかもしれない。
 だとしたら、後で元に戻しておくとしても、鍵は持っておいたほうが良さそうだ、とジーニは考えたのだった。

 大人たちが真剣に本棚を調べる間、背丈の関係で低い棚の本を、とっかえひっかえしていたミナスが、

「なんだろう、これ?」

と、パーティの知恵袋であるジーニに、紙の切れ端を示す。

「これ、聖書の切れ端じゃないかしら?でも、なんでこんな物が・・・」
「とりあえず、僕もらっておこう」

 首を捻りつつ、これも回収する。
 聖書は、不死者に絶大な威力を発揮する。切れ端でも、何らかの役には立ちそうだった。

 その後、彼らは地下室の探索を続けたが、困難が多く、「正直、もう帰りたい・・・」と思ったりもした。
 コウモリにねずみ、あげくはパイソンまで出てくる始末。
 しかも、どの敵も逃げ出す隙が全くないときている。

「・・・ま、おかげでこれも手に入れたんだが」

 アレクが取り出したのは、【空間歪曲】と【凶運】という、呪文の書かれた紙だった。
 【空間歪曲】は、本棚にスキル辞典という書物があったのを見て、アウロラがパラパラとめくっていた中に入っていたもので、【凶運】の方は、力で押し破った部屋の宝箱に入っていた。
 先行して罠の有無を確かめつつ、エディンが言う。

「しかし、死霊が出るとはな・・・」
「びっくりして、僕、聖書の切れ端使っちゃったよ~」
「アレクシスが、あのミゼルってエクソシストに銀の剣もらってなかったら、危ないとこだったわねえ。私の【魔法の矢】も、連発できる訳じゃないし」

 ギルが首を捻りながら、「なんだったんだ、あれ・・・」と呟いたが、考えてもわかることでは無さそうだと思い直し、先に進むことにした。

 困難はつづいているらしく、妙に思い込みの激しいインプと一戦を交えることになったが、無事、金の鍵というアイテムを手に入れ、一行は少し機嫌を直し、最後の通路へとさしかかった。
 すると、こんなところで奇妙なことに、先日の葡萄酒運びの依頼で見たような、山賊顔の男が、慌てて奥の穴へと引っ込んでいく。

「追ってみよう!」

 アレクの声に、一行は走った。
 一番奥で、似たような男たちが一列になって、何かをやっている。

「追い詰めたぞ!」

と、なにやら嬉々とした様子で叫ぶギルに、男たちは唸った。

「くそ・・・逃げ場がねェ・・・・・・」
「兄貴ィ!ここで足止め食らってたらまた奴等に捕まっちまいますぜ!」
「そうだ!あんな牢獄生活はもうまっぴらだ!」

 その声に、エディンが獲物を構える。

「こいつら、脱獄囚・・・!?」

ScreenShot_20120722_135747484.png


 冒険者たち一行の戦闘体制に、好戦性を刺激されたのか、「兄貴」と呼ばれたリーダー格の男が雄叫びを上げた。

「お前等・・・よしっ!全員突撃だ!」
「どりゃ~~~~~~!」

2012/11/02 00:36 [edit]

category: 謎の地下室

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