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深き闇への洞窟 3  

「この泉を通らなければいけない上に深いようです。これはどうしましょうか」
「そこは俺とミナスにお任せだな」

 肩に手を置いたエディンの意図が分からず、ミナスは最初怪訝そうにしていたが、「凍らせるんだよ、俺とお前で交互に」と言われてなるほどという顔に変わった。
 ミナスの召喚したスネグーロチカとエディンが細剣に這わせた冷気が、泉を臨時のスケートリンクに変えていく。
 このまま順調に氷の道を作り、確実に泉を渡れると思っていた一行だったが、あいにくと横槍が入った。
 ぶうううぅぅん・・・・・・という不吉な羽音が響いたのである。

「おい、これ・・・・・・」
「どこかで聞いた音だな」

ScreenShot_20130113_220427046.png

 アレクの呟きにギルが反応する。すると、彼の視界に鉄で出来た蜂たちが現われ、”金狼の牙”たちへ襲い掛かってきた。
 人工の蜂はフィロンラの花の遺跡で一度出会っている。すばしっこく攻撃を当てづらい敵ではあったが、たった3匹では当時より戦い慣れてきた一行に適うわけもない。
 【光のつぶて】や【風刃の纏い】によって地面に叩きつけられたところを、ギルやアレク、エディンたちが得物でトドメを刺した。

「よし、行こう」
「それにしても・・・・・・」

 リーダーに促されて歩き出したが、途中でアレクが首を捻る。
 それを不審に思ったジーニが「何よ?」と訊きだした。

「あ、いや。危険は多いものの、知恵を絞れば突破できる罠ばかりだったのが気になってな・・・」
「・・・そう言われるとそうね。あの石碑もずいぶん古い綴り方だった。よほどに古代文字を習得して無いと解読できなかったろうし・・・」
「妙なことはそれだけではありませんよ」

 二人の会話に今度はアウロラが口を挟んだ。

「先程の鉄の蜂は、他の魔法生物とともに出現することが多いモンスターです。あれで終わりだとは思えません」
「・・・つまり、この先に親玉がいるって事か?」
「或いは」

 アウロラの肯定に、会話を耳にしていた一行はそれぞれの装備を整える。
 十分に用心して上の部屋へ入った一行だったが、足を踏み入れた途端に緑色に濁った霧が発生し、それを吸い込んでしまった。
 ジーニとアウロラが怒鳴りあう。

「ちょっと、ケホ、ここまでやる!?毒じゃない!」
「ゲホッゲホッ、効果的な罠ですこと!」
「ゲホっ、二人とも、あの鉄の塊、何!?」

 ミナスが指さしたのは、部屋の中央に立っている鉄の塊だ。剣も鎧も中身も鉄でできたらしい兵士は、まず己を指さした小さな人影にいきなり攻撃を仕掛けてくる。
 かろうじて横からその一撃を防ぎきったアレクは、鉄の刃を剣で跳ね上げ後ろへ飛び退った。
 己の魔力を刀身に込める――魔力を爆発させ剣を加速する、神速の二連撃。武闘都市エランで習い覚えた【緋色の羽】という魔法剣の体勢である。それに気づいたギルと、ギルの目配せを受けたエディンが、機甲の兵士を奥に行かせまいと立ちふさがる。
 
「といっても、俺の細剣じゃあ分が悪いぜ、リーダー」
「アレクの時間が稼げればいい!」

 ガイィィン!と気合とともに兵士を叩いた斧が音を立てた。
 入れ替わり立ち代わり、二人の戦士と一体の兵士が己の武器をかみ合わせ、死のダンスを踊る。
 何しろ、機甲の兵士の動きは一流の戦士に勝るとも劣らない上、まったく疲れというものを知らない。おまけに【穿鋼の突き】という必殺技を持っている。一瞬たりとも気の抜ける相手ではなかった。
 毒霧を咳き込んでなかなか詠唱ができないアウロラたちは、手に汗を握りながら援護の隙をうかがっていた。
 刹那。

「・・・・・・二人ともどけっ!」

 アレクの叫びとともに仲間はそれぞれ反対方向へ横飛びし、彼の剣が兵士の身体へ2つの裂傷を刻んだ。
 魔力により赤い帯を引く刀身が毒々しくも美しい双翼を宙に描き、束の間、ギルはそれに見惚れた。
 いかなる存在でも必ず捉える、とエランにいた剣の師匠に言われた技は誇張ではなく、兵士はどっと倒れこんで動かなくなった。

「やれやれだ・・・本番で決まって良かったよ」
「皆さん、解毒しますのでこちらにどうぞ」
「僕も手伝う!ウンディーネ、傷を洗い清めて・・・」

 先程までの毒の霧が嘘のように晴れている。エディンが調べたところ、機甲の兵士自身から毒が吹き出ていたらしい。傷を癒し終わってから階段を上がると、そこは特に何も無い部屋だったので、当直を定めて一行は休憩をとることにした。

2013/01/19 13:44 [edit]

category: 深き闇への洞窟

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