L'avenir ou la Mortその3

「これは――いい景色ですね」
「はい。上から見ると、街はあんな風なんですね……まるで精巧な箱庭みたい……」

 オーガが拳で真っ二つにした大岩から抜け出ると、そこは山の頂上へ続く道になっていた。
 あの大岩で出口を塞いだのはオーガの仕業だろうが、何故彼らがそんなことをしたのかは不明である。
 ただ、大変な目に遭った洞窟から、一刻も早く距離を置きたいナディの心情は、ミカには手に取るように分かったので、促されるまま上り坂を上がっていき、無事に頂まで辿り着いたのである。

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L'avenir ou la Mortその2

 下生えはよく生い茂り、細い先端でこちらの足首を突いてきたが、山に立ち入ることを鑑みて足ごしらえした両者には、さほどの苦痛にはならない。
 それでも、石畳で整備された街中を歩く感覚とはかなり違うため、ミカは事あるごとに同行者の様子を窺い、疲労が溜まり過ぎていないかを確認していた。

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L'avenir ou la Mortその1

 ミカは目前に座る老年の男を、じっと見つめた。
 とは言っても、まったく艶めいた話ではなく、ただ単に依頼について聞きに来ただけだ――ミカひとりで。
 前にレイド・クラウンという暗殺者によって、嘘の依頼に嵌められそうになったこともある彼女が、単独の仕事に行かないよう、従者たるナイトが説得していたのだが、今回の頼みごとについては、賢者の搭の知り合いから持ち込まれたものである。
 曰く、『賢者の搭で学んだ子どもたちの”修了試験”に、同伴する冒険者を募っている。あなたも参加して欲しい。』と。
 ミカはリューンとは違う地方都市で魔術のいくつかを学び、修了試験に該当するものを受ける前に、冒険者として一人立ちした経緯がある。

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