Wed.

抜き身のナイフその3  

 道行く人たちに、なぜあいつは走っているんだと奇異の目を向けられながらも、彼は走った。
 石畳で整えられた道を、どたどたと足音を鳴らしながら駆ける。
 翼が生えている青年が自分の足で走っているのだから、それはもう目立っていた。
 さすがに疲れを覚え、テーゼンは徐々にスピードを落としてゆっくり歩き始めた。
 はぁ、はぁ、と荒く息を吐きながらも、歩みだけは止めず。
 人の流れに沿って通行人の速度に合わせる。
 この街に流れている川のごとく、人の波に浚われ消えていくつもりで進んでみた。
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2016/03/16 12:38 [edit]

category: 抜き身のナイフ

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Wed.

抜き身のナイフその2  

 独特の浮遊感、口を動かそうにも、うまく呂律が回らない。
 テーゼンは自分が夢を見ていることに気づいた。
 しかし、どうにも映像が鮮明にならない――夢というのは大体がそういうものかもしれないが。

(ふぅ……)
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2016/03/16 12:35 [edit]

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Wed.

抜き身のナイフその1  

「……悪魔、か。化けモンって言われなかっただけ、マシなのかな」

抜き身のナイフ

 迷宮の魔神・アポクリファを倒した後に、自分の正体を知ったシシリーの彼の存在を拒む言葉から、テーゼンは旗を掲げる爪のパーティを離脱していた。
 ≪狼の隠れ家≫にも帰らず、交易都市リューンを出て中央行路から外れ、まったく知らない街を訪れている……訪れる、と行ってもいいのか。
 彼に当て所はなかった。
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2016/03/16 12:30 [edit]

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