「とりあえず入り口に着いたね」
「ここで戻ってくるのを待ちましょう。…本当は奇襲をかけたいぐらいですが…」

 ちょっと肩を落とし気味のウィルバーだったが、乾いた地面を踏みしめる複数の足音が耳に届くと、アンジェと同じようにいつでも戦闘に入れるように、やや足を開いて杖を構えた。
 入り口の光が遮られ、初老ぐらいの男が現れる。
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2016/03/15 12:27 [edit]

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 血気に逸ったアンジェは、遠距離攻撃や暗殺で狙うこともなく、正面切ってウルフと戦ったが、口にした宣言どおり2分とかからず狼を沈めてみせた。
 最初の攻防で爪に引っ掛けられ軽傷を負ったが、それ以外に怪我をした様子はない。
 そんな短い戦闘のすぐ後に、洞窟から現れた賊と思われる目つきの悪い男が出てきたが、大木に(死骸と一緒に)隠れることでやり過ごした。
 自分たちの推測がとりあえず当たっていたため、洞窟の主とその一味を潰す、ということを目的に、見回りを警戒しつつ洞窟の中を探っていくことにする。
 ウィルバーは念のため、入る前に【理矢の法】を唱えておき、くるくると魔力の矢が自分の周囲を飛交う形にしておいた。

「…それにしても、敵の気配があまりしないですね。…主はここにいるのでしょうか?」
「あー、なるほどね。確かにピリッとした空気じゃないね。親父がいない≪狼の隠れ家≫みたいだ」
「…その表現が適切なのかはちょっと私には分かりませんが…」
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2016/03/15 12:24 [edit]

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 時刻はそろそろ正午にならんとしている。
 ≪狼の隠れ家≫の一階は賑やかだったが、とある一角はどことなく陰鬱な雰囲気に包まれていた。

大胆慎重

 テーブルについている人数は2人――なんともアンバランスな取り合わせである。
 一人はこげ茶色の髪と瞳をした、10歳前後の年の頃に見えるホビット族の娘。
 こう見えても一人前以上の盗賊として働くことが出来、必要とあれば人体の急所を的確に短剣で攻撃したり、腕輪に仕込んだ鋼糸で敵の動きを止めたり出来る。
 彼女は小さな指でコインを手品のように目まぐるしく弄びながら、傍らの連れが捲っている羊皮紙をたまに覗き見ている。
 やや薄くなりかけた頭部の気になる、30代半ばほどの平凡な顔立ちの男性は、黒い瞳を瞬かせながら仕事を探していた。
 やがて諦めたように手を止め、眉間を指で摘む。
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2016/03/15 12:20 [edit]

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