赤い一夜その2

 装備やアイテムの確認をし終わった旗を掲げる爪は、リューン治安隊の詰め所へ向かった。
 パーティが割り振られた見張り所は、小さな無人の家だった。
 ドアや窓もしっかりと閉じ、暖炉はいつでも使える状態で残ってはいるが、現在火は使えない。
 煙で見張りに気づかれる恐れがあるからである。
 耳に届いた微かな水滴の音に、テーゼンは眉をひそめた。

「……雨か」

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赤い一夜その1

「お前さん方、さっきからその貼り紙に興味があるみたいじゃないか」
「そりゃね。こんなわけありの書き方をされてちゃ、無関心でいる方が難しいよ」

 軽く肩を竦めてみせたアンジェは、視線をもう一度元に戻した。
 宿の羊皮紙に書かれている文章は、次のようなものである。 

赤い一夜

『詳細は貼りだせないが、腕の立つ冒険者に引き受けて欲しい仕事がある。
 仕事はひと晩で終わるもので、報酬は銀貨一千枚を予定している。
 我々は早急に戦力を欲している。
 我こそはと思うものは、是非手を貸して欲しい。』

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