Tue.

祭りの後にその1  

 その日、旗を掲げる爪は先日のハロウィンではしゃぎすぎたのか、少し寝過ごしてしまった。
 慌てて起きてみれば、思ったとおり宿の亭主はやや不機嫌になっていた。
 ふわ、と欠伸を隠し切れないままアンジェが挨拶する。

「ん~……おはよう、親父さん……」
「今頃起きてきたのか。ハロウィンも終わったんだ。そろそろ祭り気分もぬいておけよ」

 そんな言葉を冒険者たちにかけ、亭主は昨日の余りもので作った食事を卓へ並べていった。
 南瓜で作ったケーキ、色とりどりのアイシングクッキー。
 温め直しのレモネードと、スパイス入りのホットアップルジュース。
 甘いものばかりかと思えば、スペアリブをタレに漬け込んで焼いたものや、蒸した野菜に塩とチーズをかけたものも出てきた。
 肉といえば宴会で残らないはずなのだが、翌朝のためにと亭主が別にしておいてくれたらしい。
 それらを全て平らげると、

「食べた皿は頂きますね」

と言って、給仕の娘さんが手際よく片付けていく。
 なんとこの娘さん、実はフェンサーとして通用するほどに細剣の扱いに手慣れている……らしい。
 そのせいなのか、食器を盆に乗せて下がっていく動きが、非常にきびきびしている。
 彼女はいったん厨房に引っ込んだかと思うと、再びこちらへやってきた。

「あ、そうそう。これ、デザート代わりにどうぞ」

祭りの後に1

と差し出してくる。
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2016/03/01 13:13 [edit]

category: 祭りの後に

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