Sat.

妖魔の砦その3  

 いくつもの扉があり、そのほとんどにゴブリンたちの声がする。
 いびき声、複数の足音とゴブリン語による話し声、たまに機嫌の良さそうな談笑……それらの扉の向こうに、ゴブリンのリーダーたる存在がいるとは判断できず、旗を掲げる爪は二階にある一番奥の扉の前まで来ていた。
 一人先行して扉の向こうにある部屋の聞き耳を行うと、アンジェははっとして仲間たちの方へとにじり寄った。
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2016/02/20 12:32 [edit]

category: 妖魔の砦

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Sat.

妖魔の砦その2  

 城砦裏手にある崖へ、数日かけて辿り着く。
 進み出たバイアンが荷物袋を地面に下ろし、通常の品より太くて頑丈そうなロープを中から苦労して取り出した。
 彼の言によると、すでにアルエス駐屯軍は前日に布陣したらしい。
 刻限は今日の正午――突っ立った赤毛を風に揺らしながら、真剣な顔でバイアンは注意する。
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2016/02/20 12:31 [edit]

category: 妖魔の砦

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Sat.

妖魔の砦その1  

 本日、旗を掲げる爪が着席して話を聞いているのは、珍しいことに≪狼の隠れ家≫ではなくアルエス駐屯軍の兵舎の中であった。
 装飾といったものを一切省いた簡素だが頑丈な建物に、居心地の悪さを感じながら彼らは席についている。
 それというのも、アルエス近辺の砦に妖魔――ゴブリンやホブゴブリンの群れが住み着いてしまい、砦がもともと持っていた防御力の強さにいまだ駐屯軍が攻めあぐねているため、ついに冒険者の手を借りて、妖魔の首領を狩ってしまおうという計画が持ち上がったからである。

妖魔の砦

 そのお鉢が、≪狼の隠れ家≫に所属している彼らに回ってきたわけだった。
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2016/02/20 12:26 [edit]

category: 妖魔の砦

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