狼の森その2
この森は藪が深い箇所が多々あり、人が通れる道というのが限定されてしまうようである。
特に体力に不安のあるテアやウィルバーを気遣い、野伏の経験を持つ悪魔は、神経を研ぎ澄ませて斥候役を務めた。
途中、一際大きな体躯を持ちながら、何となく動きの鈍い狼を仕留めたパーティは、あまりの藪の深さにとうとう一方向にしか進めなくなってきた。
ある地点で足を止めたアンジェが仲間を振り返る。
耳のいい彼女は、誰より先に獣の息遣いらしきものを聞き取ったのである。
特に体力に不安のあるテアやウィルバーを気遣い、野伏の経験を持つ悪魔は、神経を研ぎ澄ませて斥候役を務めた。
途中、一際大きな体躯を持ちながら、何となく動きの鈍い狼を仕留めたパーティは、あまりの藪の深さにとうとう一方向にしか進めなくなってきた。
ある地点で足を止めたアンジェが仲間を振り返る。
耳のいい彼女は、誰より先に獣の息遣いらしきものを聞き取ったのである。