Fri.

謎の地下室3  

 上手く詠唱に集中できたミナスが、すかさず【蛙の迷彩】で一行の回避力をアップする。
 続けざまに、スキル辞典をめくっていたジーニが、【眠りの雲】を唱えて敵を眠らせた。
 深い魔法の眠りに落ちた敵を、エディンやアレクが殴っていく。
 最後の一人をギルが気絶させ、やっと戦闘が終わった。

「一丁あがり!」
「このスキル辞典って、ページ数が多過ぎてめくるの大変ねえ。便利は便利なんだけど」

 ジーニは分厚い辞典の表紙を、その感触を確かめるように撫でて言った。
 すると、男たちが列を成していた穴の向こう側から、役人にありがちな固い印象の、鎧を着た壮年の男が走ってくる。

「あの・・・・・・あなたは?」

 ミナスが不思議そうに声を掛けると、男はこう答えた。

「私はリューンの牢獄に勤める者だ。ところでお主、この辺りで迷彩服を着た6人組を見なかったか?」
「めいさいふく・・・」
「6人組・・・・・・」

 アレクとエディンが顔を見合わせて言った。

 その隣で、きょとんとした様子のギルが、「それならここに・・・」と声を上げてしまう。
 慌てて口を塞ごうとしたが、時既に遅し。
 脱獄の助手の疑いをかけられ、あっけなく一行は脱獄囚と共に連行されることになってしまった。

ScreenShot_20120722_140711875.png

 事情を説明し、時間はかかったものの誤解を解くことに成功した一行は、なんと看守から、捕縛のお礼として1000spもの大金をもらった。
 疲労を滲ませつつ、それでもホクホク顔で宿に戻ったのだが、

「留守番ご苦労・・・・・・って、なんだその穴は!?」

と、出先から帰ってきた親父さんに詰問されてしまった。
 エディンが焦って

「いや、これはその・・・」

と言い掛けたが、親父さんはきっぱり一言。

「弁償してもらうぞ」

 床の修理代は、結局500spもかかってしまった。
 カウンターで頬杖をつきつつ、アウロラとジーニが言う。

「元はといえば、簡単に崩れるくらい老朽化してる床を放置した、親父さんが悪いんじゃないですか」
「そうよねー。私たちの責任じゃないわよお」

 しかし、それも泣きながら床を直す男性陣には聞こえなかった・・・。

※収入500sp、【空間歪曲】(売値1000sp相当)、【凶運】(売値500sp相当)、スキル辞典(売値1000sp相当)、金の鍵(売値2500sp相当)※

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■後書きまたは言い訳
3回目のお仕事は、Allegroさんの謎の地下室です。
とってもギャグっぽいテイストなんで、気軽に張り紙をはがしたら戦闘がシビアで私が半泣きしたのは、蛇足な話でございます。リードミーに、”「レベル1で突貫しま~す!」なんて事を考えているのであれば、魔法の矢を最低でも2つと傷薬を何本かは用意”とか書いてるのにね!
なお、ここで手に入れられる金の鍵についてですが、無制限の盗賊の手みたいなものですので、正直売るのはもったいないです。私は現金が欲しくて売却してしまいましたが、とっておくのをオススメします。

当リプレイはGroupAsk製作のフリーソフト『Card Wirth』を基にしたリプレイ小説です。
著作権はそれぞれのシナリオの製作者様にあります。
また小説内で用いられたスキル、アイテム、キャスト、召喚獣等は、それぞれの製作者様にあります。使用されている画像の著作権者様へ、問題がありましたら、大変お手数ですがご連絡をお願いいたします。適切に対処いたします。

2012/11/02 00:45 [edit]

category: 謎の地下室

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Fri.

謎の地下室2  

 謎の地下室は妙に広く、本棚が置いてある部屋まであった。
 そこを調べていると、ふとアレクの指に硬い物が触れた。

「なんだ、この鍵?」
「さあ・・・とりあえず、もらっておきましょうよ」

 これだけ広いのだ、もしかしたら何かの仕掛けもあるのかもしれない。
 だとしたら、後で元に戻しておくとしても、鍵は持っておいたほうが良さそうだ、とジーニは考えたのだった。

 大人たちが真剣に本棚を調べる間、背丈の関係で低い棚の本を、とっかえひっかえしていたミナスが、

「なんだろう、これ?」

と、パーティの知恵袋であるジーニに、紙の切れ端を示す。

「これ、聖書の切れ端じゃないかしら?でも、なんでこんな物が・・・」
「とりあえず、僕もらっておこう」

 首を捻りつつ、これも回収する。
 聖書は、不死者に絶大な威力を発揮する。切れ端でも、何らかの役には立ちそうだった。

 その後、彼らは地下室の探索を続けたが、困難が多く、「正直、もう帰りたい・・・」と思ったりもした。
 コウモリにねずみ、あげくはパイソンまで出てくる始末。
 しかも、どの敵も逃げ出す隙が全くないときている。

「・・・ま、おかげでこれも手に入れたんだが」

 アレクが取り出したのは、【空間歪曲】と【凶運】という、呪文の書かれた紙だった。
 【空間歪曲】は、本棚にスキル辞典という書物があったのを見て、アウロラがパラパラとめくっていた中に入っていたもので、【凶運】の方は、力で押し破った部屋の宝箱に入っていた。
 先行して罠の有無を確かめつつ、エディンが言う。

「しかし、死霊が出るとはな・・・」
「びっくりして、僕、聖書の切れ端使っちゃったよ~」
「アレクシスが、あのミゼルってエクソシストに銀の剣もらってなかったら、危ないとこだったわねえ。私の【魔法の矢】も、連発できる訳じゃないし」

 ギルが首を捻りながら、「なんだったんだ、あれ・・・」と呟いたが、考えてもわかることでは無さそうだと思い直し、先に進むことにした。

 困難はつづいているらしく、妙に思い込みの激しいインプと一戦を交えることになったが、無事、金の鍵というアイテムを手に入れ、一行は少し機嫌を直し、最後の通路へとさしかかった。
 すると、こんなところで奇妙なことに、先日の葡萄酒運びの依頼で見たような、山賊顔の男が、慌てて奥の穴へと引っ込んでいく。

「追ってみよう!」

 アレクの声に、一行は走った。
 一番奥で、似たような男たちが一列になって、何かをやっている。

「追い詰めたぞ!」

と、なにやら嬉々とした様子で叫ぶギルに、男たちは唸った。

「くそ・・・逃げ場がねェ・・・・・・」
「兄貴ィ!ここで足止め食らってたらまた奴等に捕まっちまいますぜ!」
「そうだ!あんな牢獄生活はもうまっぴらだ!」

 その声に、エディンが獲物を構える。

「こいつら、脱獄囚・・・!?」

ScreenShot_20120722_135747484.png


 冒険者たち一行の戦闘体制に、好戦性を刺激されたのか、「兄貴」と呼ばれたリーダー格の男が雄叫びを上げた。

「お前等・・・よしっ!全員突撃だ!」
「どりゃ~~~~~~!」

2012/11/02 00:36 [edit]

category: 謎の地下室

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Fri.

謎の地下室1  

「おい、あんたら今日は暇か?」

 宿の親父さんが唐突にそう一行に切り出したのは、まだ午前中のことだった。
 顔を全員見合わせた後、ジーニが答える。

「ええ、そうだけど」
「そりゃ良かった。あんたらに頼みたいことがあるんだ」

 親父さんの頼みとは、ただの留守番だった。
 これから用があって出かける、と言った親父さんの顔は、こっちが「大丈夫か?」と声を掛けたくなるくらい疲れている。

「いつ戻ってくるんだ?」

というエディンの問いに、親父さんが応じる。

「まあ、夜までに戻るだろう」
「構わないさ。安心して行ってくると良い」

 アレクが鷹揚に頷き、エディンが「気をつけてな」と手を振った。

 今日一日中暇だね、と言うミナスをよそに、いそいそとカードを持ってきたのはギルだった。
 彼は、大胆で粗野なように見えて、意外とこういう気遣いは心得ている。
 とは言うものの、さすがにババ抜きばかり30回もやっていると、飽きが来る。

「じゃあ、誰か他の遊び知らない?」

というリーダーの声に、一同は黙り込んでしまった。

「・・・・・・だめじゃん」
「ま、いいでしょう。気晴らしに葡萄酒でも取って参ります」

 エディンがため息をつく様子を見て、アウロラは場を取り繕うように言った。
 そして、そのまま移動しようとして、「きゃあ!」という悲鳴と共に、大きな音がする。

「あいたたたた・・・」
「大丈夫か?」

 駆け寄ってきたエディンが、アウロラの華奢な体を助け起こした。
 ギルが彼女の紫の法衣についたホコリを払ってやりながら、

「床が脆くなって崩れたみたいだな」

と言った。
 その声に集まった仲間たちだったが、ミナスがふと呟く。

「これって階段じゃない?」
「本当だ。こんなところに地下室なんてあったんだ」

 呆れたように古びた階段を眺めるジーニだったが、ふと何か違和感を感じることに気付いた。
 この階段は、どちらかというと遺跡にあるようなもののような気がしたのだ。
 冒険者の宿の地下に遺跡とは、宿の親父さんは果たして知っているだろうか?
 そうこうしてるうちに、ギルが面白がって入ろうと言い出した。
 暇を持て余していた一行は、他にすることもなく謎の階段へと潜ることにしたのだった。

2012/11/02 00:30 [edit]

category: 謎の地下室

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