アルク・トゥルスピカ 4
洞穴が行き止まりになったため、一行は森へと引き返してきていた。
相変わらず鬱蒼とした風景が続く。
かなり時間をかけて森を抜けると、辺りには殺風景な岩場が広がっていた。
びゅう、と風が吹いた。寒気を感じる。
「これは・・・・・・」
ミナスがアウロラの服のすそを掴んだ。
寒気。
風で体が冷えたのではない。
全身が寒気を感じるのは、”金狼の牙”たちの眼前にいる”それ”が異常なまでのさっきをこちらに放っているからだ。
森から毒蜘蛛が二匹飛び出してきている。どうやら魔獣に加勢するつもりらしい。
「さっきの歌に出てきた、夫の・・・・・・?」
「呆けるな!あいつが依頼の二本角の魔獣だ!!」
アレクの叫びにアウロラははっと思いなおして呪文に集中したが、遅かった。
魔獣の丸太のような棍棒が、唸りを上げてアウロラに振り下ろされる。、
「きゃああああっ!」
がつり、と頭に強烈な衝撃を感じて彼女は倒れた。額から血が流れる感触を、意識の途切れる寸前に感じた。
「アウロラ!くそ!」
エディンが必死に魔獣の腕に得物を叩きつけるも、敵はそれを跳ね返し、今度はアレクを気絶させる。
舌打ちしたギルが見やると、なんと、魔獣についた傷が盛り上がって塞がっていく・・・!
「こいつ、再生もちか!」
「ギル、二人は僕に任せて!水の精を呼ぶから!」
ミナスの手から現出したウンディーネが、回復の力と共にアウロラを、アレクを抱きしめる。
気絶から復帰したアウロラが、すぐさま【癒身の結界】で全員を癒しにかかった。
しかし効果が薄い。
「・・・・・・く!上手く集中・・・できないっ。アレク、ごめんなさい!」
「いや・・・大丈夫だ」
「そうそう、ようは時間を稼げばいいんでしょ?お姉さんに任せなさいって」
ジーニがベルトポーチから出した薬瓶を、振りかぶって投げた。狙い過たず、魔獣に命中する。

「束縛かかった!今のうちよ!」
「はい!【癒身の結界】!」
今度は上手く魔法がかかり、ほとんどの傷が塞がっていった。
「よし、もらったあああ!【破邪の暴風】!」
ギルがすかさず、出来た隙を逃さずに攻撃を叩き込んだ。
どおおぉおぉん・・・。
魔獣の巨躯が地に沈む。辺りは先程までの激闘が嘘のように静かになった。
「はあ・・・・・・ちょっと今回の依頼はやばかったなあ」
ぼやきながら、ギルは斧を振りかぶって角を切り落とした。これが依頼の品である。
村に戻り、医者が角を材料に薬を処方して、一晩寝ると子どもはすっかり快復した。
母親は何度も頭を下げ、涙を流して感謝した。
わずかばかり、と謝辞をしながら差し出された報酬も受け取り、”金狼の牙”たちは村を発つ。
「・・・・・・・・・」
エディンはそっと晴れ上がった空を見つめて言った。
「生まれ変わっても、またヒトになって・・・・・・皆で冒険できるもんかね?」
「出来るに決まってるでしょ!」
「・・・あら。じゃあ、私は昨日みたいにならないよう、剣士にでもなりましょうか?」
「俺、魔法使ってみてー!!そんでリーダーは別のやつな」
「・・・・・・精霊、は興味がある・・・」
「なんでもいいけど、僕が大人になってからにしてよね!」
――高山の町は風が強い。舞い上がった砂が眼に入り・・・・・・涙が出た。
※収入700sp+300sp、≪精霊銀の指輪≫≪煌びやかな剣≫≪名も無き指輪≫≪名も無き薬草≫×3≪金鉱石≫×3≪碧曜石≫×3※
--------------------------------------------------------
■後書きまたは言い訳
29回目のお仕事は、蟹さんのシナリオでアルク・トゥルスピカです。探索及び戦闘メインということでしたが、密かに【魔法感知】が大事なシナリオだったりもします。ちゃんとアイテムでキーコードを補完してくれているところに、シナリオ作者さんの心配りを感じます。ありがとうございます・・・!
そして短い間に鉱石ざくざく掘り出す。緑曜石が出てこなかったのは残念ですが、量としては非常に充分じゃないかと。余は満足じゃ。
戦闘では、初っ端でアウロラが沈められてびびりました。あの子、それなりに頑丈なはずなのですが・・・・・・ミナスが【水淑女の守】持ってなかったら、回復なしで大変な事になっていたでしょう。
リプレイの途中でギルとアレクが防具を欲しがっていますが、あれは私の心の声の代弁です。(笑)
鎧は出来るだけ、シナリオで手に入れたいんだけどなあ・・・・・・。
当リプレイはGroupAsk製作のフリーソフト『Card Wirth』を基にしたリプレイ小説です。
著作権はそれぞれのシナリオの製作者様にあります。
また小説内で用いられたスキル、アイテム、キャスト、召喚獣等は、それぞれの製作者様にあります。使用されている画像の著作権者様へ、問題がありましたら、大変お手数ですがご連絡をお願いいたします。適切に対処いたします。
相変わらず鬱蒼とした風景が続く。
かなり時間をかけて森を抜けると、辺りには殺風景な岩場が広がっていた。
びゅう、と風が吹いた。寒気を感じる。
「これは・・・・・・」
ミナスがアウロラの服のすそを掴んだ。
寒気。
風で体が冷えたのではない。
全身が寒気を感じるのは、”金狼の牙”たちの眼前にいる”それ”が異常なまでのさっきをこちらに放っているからだ。
森から毒蜘蛛が二匹飛び出してきている。どうやら魔獣に加勢するつもりらしい。
「さっきの歌に出てきた、夫の・・・・・・?」
「呆けるな!あいつが依頼の二本角の魔獣だ!!」
アレクの叫びにアウロラははっと思いなおして呪文に集中したが、遅かった。
魔獣の丸太のような棍棒が、唸りを上げてアウロラに振り下ろされる。、
「きゃああああっ!」
がつり、と頭に強烈な衝撃を感じて彼女は倒れた。額から血が流れる感触を、意識の途切れる寸前に感じた。
「アウロラ!くそ!」
エディンが必死に魔獣の腕に得物を叩きつけるも、敵はそれを跳ね返し、今度はアレクを気絶させる。
舌打ちしたギルが見やると、なんと、魔獣についた傷が盛り上がって塞がっていく・・・!
「こいつ、再生もちか!」
「ギル、二人は僕に任せて!水の精を呼ぶから!」
ミナスの手から現出したウンディーネが、回復の力と共にアウロラを、アレクを抱きしめる。
気絶から復帰したアウロラが、すぐさま【癒身の結界】で全員を癒しにかかった。
しかし効果が薄い。
「・・・・・・く!上手く集中・・・できないっ。アレク、ごめんなさい!」
「いや・・・大丈夫だ」
「そうそう、ようは時間を稼げばいいんでしょ?お姉さんに任せなさいって」
ジーニがベルトポーチから出した薬瓶を、振りかぶって投げた。狙い過たず、魔獣に命中する。

「束縛かかった!今のうちよ!」
「はい!【癒身の結界】!」
今度は上手く魔法がかかり、ほとんどの傷が塞がっていった。
「よし、もらったあああ!【破邪の暴風】!」
ギルがすかさず、出来た隙を逃さずに攻撃を叩き込んだ。
どおおぉおぉん・・・。
魔獣の巨躯が地に沈む。辺りは先程までの激闘が嘘のように静かになった。
「はあ・・・・・・ちょっと今回の依頼はやばかったなあ」
ぼやきながら、ギルは斧を振りかぶって角を切り落とした。これが依頼の品である。
村に戻り、医者が角を材料に薬を処方して、一晩寝ると子どもはすっかり快復した。
母親は何度も頭を下げ、涙を流して感謝した。
わずかばかり、と謝辞をしながら差し出された報酬も受け取り、”金狼の牙”たちは村を発つ。
「・・・・・・・・・」
エディンはそっと晴れ上がった空を見つめて言った。
「生まれ変わっても、またヒトになって・・・・・・皆で冒険できるもんかね?」
「出来るに決まってるでしょ!」
「・・・あら。じゃあ、私は昨日みたいにならないよう、剣士にでもなりましょうか?」
「俺、魔法使ってみてー!!そんでリーダーは別のやつな」
「・・・・・・精霊、は興味がある・・・」
「なんでもいいけど、僕が大人になってからにしてよね!」
――高山の町は風が強い。舞い上がった砂が眼に入り・・・・・・涙が出た。
※収入700sp+300sp、≪精霊銀の指輪≫≪煌びやかな剣≫≪名も無き指輪≫≪名も無き薬草≫×3≪金鉱石≫×3≪碧曜石≫×3※
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■後書きまたは言い訳
29回目のお仕事は、蟹さんのシナリオでアルク・トゥルスピカです。探索及び戦闘メインということでしたが、密かに【魔法感知】が大事なシナリオだったりもします。ちゃんとアイテムでキーコードを補完してくれているところに、シナリオ作者さんの心配りを感じます。ありがとうございます・・・!
そして短い間に鉱石ざくざく掘り出す。緑曜石が出てこなかったのは残念ですが、量としては非常に充分じゃないかと。余は満足じゃ。
戦闘では、初っ端でアウロラが沈められてびびりました。あの子、それなりに頑丈なはずなのですが・・・・・・ミナスが【水淑女の守】持ってなかったら、回復なしで大変な事になっていたでしょう。
リプレイの途中でギルとアレクが防具を欲しがっていますが、あれは私の心の声の代弁です。(笑)
鎧は出来るだけ、シナリオで手に入れたいんだけどなあ・・・・・・。
当リプレイはGroupAsk製作のフリーソフト『Card Wirth』を基にしたリプレイ小説です。
著作権はそれぞれのシナリオの製作者様にあります。
また小説内で用いられたスキル、アイテム、キャスト、召喚獣等は、それぞれの製作者様にあります。使用されている画像の著作権者様へ、問題がありましたら、大変お手数ですがご連絡をお願いいたします。適切に対処いたします。