塩の降る村 その4

 たっぷり休憩を取り終わった冒険者たちは、宝箱から回収した火晶石をリュミエールの荷物袋に納めて、休憩室の向かい側にある部屋の魔法陣を起動していた。
 もうひとつあった正面のドアの向こうは、己の目の働きを疑うような光景があり進んでいない。

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塩の降る村 その3

 変異種のモンスターに会う機会は、一般人ならほとんどないはずだが、冒険者のそれは比較が馬鹿馬鹿しくなるほどに多くなる。
 今現在、彼らが刃を向けている相手もその口であり、魔術師学連に所属している身としては遭遇を喜ぶべきかもしれないが、正直に言えばカノンはくそくらえと思った。
 伝説でよく聞く蛇や蛸の足だって充分に厄介だが、蛇の如く長い首を具えた猛犬とて、危険性でおさおさ劣るものではない。第一、噛みついて引き千切る力は、こっちの方が強い。

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塩の降る村 その2

 翌朝、ポートリオン商人の手助けをちょっとしてから、村の人たちからサス湖が干上がるまでのことについて情報収集した。
 端的に結果を言えば、ルドニーの住人にも、水が引いてしまった原因は分からない。
 ただ、この現象は2ヶ月前から始まっており、ヌクスよりも交流の深かったココン村の方では、水を新たに得ようと井戸の掘削をずいぶん頑張っていたものの、地下水が湧くことがなく、ついに住民が村を棄てる羽目になった。

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塩の降る村 その1

 強く吹く熱風に晒され、支給品として貸与された皮のマントが翻る。
 口に入ったりしないよう片腕を挙げて俯いているのに、それでも狙いすませたように、鼻の穴や服の隙間に入り込んでくる砂の粒が痛い。
 風の収まった後、身体についた不愉快な砂を神経質に手で払いのけながら、ミハイルは不満たらたらの顔で呟いた。

「前の依頼でも熱い思いをしたのに、なんだってまた、砂漠なんかに来てしまったんでしょう」

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