ゴブリンの洞窟&恐るべきゴブリン退治その4

 見逃していた残りのゴブリンがいないか、鉱山跡から出てからもしばらく森の中を散策していると、湧水による泉を発見した。
 そこで体力を回復した一行は、もう他にゴブリンはいないだろうと、村へ続く道を歩いていた。

「今回は少々、梃子摺りましたね」

 最後尾を歩くモイラが感想を述べると、少し前方を歩いていたフタバが肯定する。

「本当ね。何だか、死に物狂いって感じだったわ」

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ゴブリンの洞窟&恐るべきゴブリン退治その3

 木漏れ日は少ないながら、こないだほど鬱蒼としていない森の中で、はてと首を傾げたのはリュミエールであった。フレッドの村にジャイアントスラッグがなだれ込んだ時のような、妙な緊張感がある。
 だが視界内はおろか、妖精族にだけ分かるような淡い森の囁きに引っ掛かるものはない。

「……変なのー」
「どうかしましたか、妖精さん?」

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ゴブリンの洞窟&恐るべきゴブリン退治その2

 悪天候に見舞われることもなく無事到着できたナザム村は、のんびりと水車の回る音の響く、のどかとしか言いようのない集落だった。この辺りはリューン近辺の中でも豊かな穀倉地帯に当たるはずで、辺境の寒村とは違い、人々の暮らしに余裕のある様子なのが、傍から見ていても分かる。

「小麦を引くのに、あの水車を利用してるんでしょうね…」
「村に流れ込むこの川は、あの北の山から流れてるんでしょう。そうすると、多分の山の栄養を含む土がここまで運ばれ、農地を肥えさせているのかもしれません」

 聖北の神のご加護ですね、とミハイルがひとりで頷いている。

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ゴブリンの洞窟&恐るべきゴブリン退治その1

 トトリスからリューンの間の街道を襲っていた盗賊団を壊滅し、意気揚々と≪のんびり柘榴亭≫に戻ってきた冒険者たちは、少額だが得た銀貨をこれまでの貯金と合わせて、誰かに新たな技術を習得させようと協議した。
 また色んな意見があったものの、今回はそう長引くこともなく――呪文使いの守護も前衛も頼まれることの多いモイラに、対多数を相手取るための技を覚えてもらうことになった。どちらの役目を果たすことになるにせよ、彼女が一番、敵に囲まれる可能性が高そうだ、と言う予測によるものである。
 【散華の閃】という新たな剣技を覚えようと、技術書を見せてくれる女性の元へモイラが通うようになって、ちょうど一週間目の朝のことだった。

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