黄昏の森の妖魔その2

 時折立ち止まり、ムルが上空から方角を確かめて行く道を定める。

「……ここは、何で他の森と違うんだろうな?」

と近くにいるウィルバーに尋ねたのは、ロンドが同じような景色に飽きてきたからだろう。
 平凡な容姿の男は、それに怒りもせず思慮深げな表情で応えた。

「それは恐らくですが、ここが原初の森だからでしょう」
「げんしょ?」
「人の手はおろか、道具を持って文明を作る何者の介入も許さない、古い森なのですよ。大陸ではたまにこんな場所があるものですが……」

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黄昏の森の妖魔その1

 交易都市リューンより遥か北東…。
 旗を掲げる爪は、モンスターの能力によって創造されたゴーストタウンを通り過ぎ、<白の王>――北風の尊称である――の道と呼ばれる辺境の街道を、東に逸れて前進していた。
 この先には、大陸へ未だ版図を広げる人間の想像も付かぬほどの悠久の昔より存在する森がある。
 黄昏の森。
 決して広大とは言えないが、との名は広く知られている。
 途轍もなく太古の時代の種である木々が聳え立ち、地面には誰も見たことも無い数多の馨しい花が、そこかしこに咲き誇るという。

黄昏の森の妖魔

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