シガン島の冒険その4

 女神メイリアからの花の祝福を受けてからのことであるが……。
 丹念に聞き込みをするパーティの面々へ、密林に佇む木の精霊たちのほとんどは、

「メイリア様おいたわしや……」
「ペレ様が消えた日、黒い影が目にも留まらぬ速さで横切っていった。あいにく、行き先までは分からぬ」

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シガン島の冒険その3

 女神メイリアからの祝福を貰い、密林にいた木の精霊からある証言を得た旗を掲げる爪は、一路、シガン島の南東にそびえる搭の中を走っていた。
 フォウの眷属であるスピカの話によると、風の精霊たちの力が搭の上階に集まっているという。
 スピカの証言が確かなら、そこにこそ旗を掲げる爪が今会っておかなくてはならない相手――即ち、東の旋風と異名をとる元・戦神が娘の探索の指揮を取っているはずなのだ。

「とにかく、ペレさんのことが伝わってしまう前に、捜索の指揮権を我々が取らなければなりません。あの木の精霊の言うことが本当なら……」
「嘘ではないはずですよ、ウィルバーさん」

 ウィルバーの斜め後ろから、ミカが声を上げる。

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シガン島の冒険その2

 シガン島の中心を東西に分ける、黒々とした山脈。
 その麓の一部をくり抜いた洞窟から脱出した先に現れたのは、昼でも灯火が必要になるほど暗い密林であった。
 シシリーのベルトポーチから解放されているランプさんが、洞窟から引き続き、ふよふよと漂いながら冒険者たちの道程を照らしている。
 腐葉土の特有の湿った匂いが、踏みしめた大地から立ち昇る。

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シガン島の冒険その1

 アンジェは相手に向ける胡散臭そうな視線を改めることもせず、反復した。

「――イーストガーデン、だって?」
「本当だって!ほら、この果物なんて、普通の市場で売ってるものとは全然違うだろ!」

 髭が伸び放題になっている後輩冒険者が荷物袋から転がしたのは、確かに今まで彼女が見たこともない果実であった。
 イーストガーデン。
 東方に眠ると言う、御伽噺や伝説に語られるだけの妖精郷である。
 この冒険者は偶然にもその妖精郷に辿り着き、命からがら逃げてきたのだと主張している。

シガン島

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