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精霊の森に棲む魔性その4  

 テーゼンが”そこ”に踏み込んだ瞬間、翼の先に粘つく怖気が引っかかったような気がした。
 ぴりりと奔る緊張に、わずかに白い美貌が歪む。

「……サブナク本人じゃねえようだが……こりゃ、手強いなんてもんじゃねえな」

 捩じれて腐り果てた姿を晒す木々ばかりの、異様な場所である。
 大地は汚泥と腐葉に塗れ、空気は濁っていた。
 これまで何度か異次元の怪物等と対決したことはあるが、仮にも妖精と精霊が守る清浄な森を、見るも不快な空間に変えてしまうのは例がない。
 後ろに控えている仲間たちに前進を指示し、彼がまた歩き始めると――ほどなく、一際目につく楢の大樹が現れた。

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2016/09/23 12:36 [edit]

category: 精霊の森に棲む魔性

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精霊の森に棲む魔性その3  

 ずいぶんと精霊の気配が散らばっている、と教えてくれたのはフォウのスピカである。
 旗を掲げる爪は長との話し合いで勧められた精霊への協力の取次ぎのため、黒々とした枝や幹が視界を遮る不思議な雰囲気の森へと足を踏み入れていた。
 ここは妖精たちがいたゾーンと違い、見るからに油断のできない、尋常ではない気配が漂っている。
 ところどころに、炎を使ったらしい焦げ跡や、薙ぎ倒された様子の木々が見られる。

「私と同じ光の眷属はいないようですね。火や風はいたんですが」
「……なんでか、鏡もあったけどね」

 アンジェがスピカに応じる後ろで、”鏡”という言葉に反応したロンドとテーゼンがビクリと肩を震わせ、それを見たテアが笑いを押し殺そうと躍起になっている。
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2016/09/23 12:30 [edit]

category: 精霊の森に棲む魔性

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精霊の森に棲む魔性その2  

「ここが精霊の森、のう……」

 テアはしげしげと辺りの様子を見渡した。
 旗を掲げる爪を誘拐してきた――相手側の同意なく強引に連れ去ったのだから、見た目はどうあれ誘拐で間違いないだろう――妖精が招いた”本当の森”は、空恐ろしくなるほど緑の濃い、光をたっぷりとたたえた場所であった。
 空間転移の魔法によって呼ばれてきたロンド以外の人員も、多少のいざこざはあったものの、妖精の語る”この森の古~~い樹へ憑いた変な魔物”とやらに興味を持ち、もし報酬が出るのであれば対決しても構わないと納得済みである。
 ただ、その妖精が案内した精霊と妖精の長、の周りが問題であり……。
 体長2メートルほどの、ふさふさとした尻尾を持った狼っぽい生き物の周囲を、濃いピンクの羽根を背に負った他の妖精たちが飛びまわり、

「この森に介入しないで!森を荒らさないで!」
「ニンゲンは乱暴!早く出て行って!」

と、冒険者たちへ罵声を浴びせてくるのである。
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2016/09/23 12:28 [edit]

category: 精霊の森に棲む魔性

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精霊の森に棲む魔性その1  

 ある地方で暗躍し始めた、吸血鬼と思われる魔物の討伐。
 旗を掲げる爪が今回引き受けた依頼書には、そう書かれていた。
 リューンから野宿を含み片道4日の行程に、さすがのテアも「あまり長い道のりは、そろそろ腰が適わんのう」と愚痴めいたものを漏らしたが、死に損ない――俗にアンデッドと呼ばれる怪物たち――の中でも特に知名度の高い相手に、生半な冒険者を派遣することはできない、という宿の亭主の言葉に反発する面子はいない。
 ただ、吸血鬼と一口に言っても、その能力はピンからキリまであるのだが……村人の証言にある蝙蝠などの生き物へ変身する能力を持っている辺り、少なくとも下級の吸血鬼ではなさそうである。

「油断は禁物ね。教会でも、吸血鬼は年を経るごとに強い能力を持つと聞いているわ」
「危ない相手なのですね……。皆さん、気をつけて下さいね」

 蝶のような羽根を羽ばたかせた妖精のムルが、ひらりとアンジェの頭上を飛ぶ。

精霊の森

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2016/09/23 12:26 [edit]

category: 精霊の森に棲む魔性

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