霧を抱く…その11
無限に続くかと思われる完全な闇の中を、冒険者たちはスピカとランプさんの灯りのみを頼りに、そろそろと歩を進めていく。
魔のものにとって闇は関係ないのか、ヴェディとテーゼンのみは危な気のない歩調で、冒険者たちを先導していく。
「そうだ……」
思い出したようにヴェディは言う。
「俺が軍師の策にはまり、裏切った場合、何の遠慮もいらん。殺してくれ。俺は生への未練はない……俺が死ぬことで軍師を追い詰めることができるならば……」
それが本望だ、と。
何事もないように彼は言った。
魔のものにとって闇は関係ないのか、ヴェディとテーゼンのみは危な気のない歩調で、冒険者たちを先導していく。
「そうだ……」
思い出したようにヴェディは言う。
「俺が軍師の策にはまり、裏切った場合、何の遠慮もいらん。殺してくれ。俺は生への未練はない……俺が死ぬことで軍師を追い詰めることができるならば……」
それが本望だ、と。
何事もないように彼は言った。