鉱床の遺跡その5

 アンジェが星の飾りを振りかざすと、錠の開かれる音があたりに響く。
 ロンドがぽりぽりと頬を掻きながら言った。

「……開いたな」
「気をつけて。この先に何かの気配がするよ」
「大丈夫、準備はできているわ。……行くわよ」

 シシリーが開けた扉の向こうには、細長い道が続いていた。
 岩肌が剥き出しになった壁には人の手が入っておらず、遺跡というより洞窟と言った方が近い。

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鉱床の遺跡その4

 ぎっしりと本棚に詰め込まれた本の数々は、どれも厚い埃を被っている。
 上の段に置かれている背表紙をチェックすると、そこには当時の建築様式や技術について書かれた本が多いようだ。どれも今では使い古されたものだが、昔は最先端の技術だったのだろう。
 
「これらを参考にしながら、この遺跡を作ったのか……?」

 物珍しげにテーゼンがさらに視線を下へと移すと、そちらは、精霊をはじめとした超自然的な生物について書かれた本も並んでいた。
 スピカが属するフォウや、ノーム・ウンディーネ等の四大精霊の名前が表題につけられている。

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鉱床の遺跡その3

 一行の目の前に広がったのは、石造りの広い通路――紛れもない遺跡だった。
 光の精霊たちの明かりに照らされる周囲を見渡し、シシリーが息をつく。

「これは……」
「結構、大きいですね」

 蝶のように舞うムルが、通路の大きさを確かめるように飛んでいる。
 さすがにトラップを発動させると危ないので、テーゼンがすぐに呼び戻したが。

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鉱床の遺跡その2

 ルチルの先導で連れて来られた森の中は、ずいぶんと静謐な印象であった。
 妖精のムルがひらりひらりと空中を飛んで、脅威がないことを確認してから定位置――テーゼンの襟元――へと帰ってきた。
 かさりと足元の腐葉土を踏んだテーゼンは、整った顔を微妙にしかめている。

「動物がいないわけじゃねえらしいが…妙に静まり返ってるな」

 彼のつま先には、鹿が通ったらしい足跡が残されている。
 そのくせ、鳥の鳴き声や動物の動く音などが耳に届いてこない。

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鉱床の遺跡その1

 ひと月と数日ほど湖城の街サルセカに赴き、リューンを留守にしていた旗を掲げる爪は、現在……。

「いやあああ!何で私にこの鎧なの!?」
「我がまま言うな、シリー。こいつが買える範囲内で、一番お手ごろで頑丈なんだから」
「第一姉ちゃん、竜との戦いで≪カイトシールド≫がベッコベコにへこんじゃったじゃない。新しい防具がないと、冒険にだって出れないよ」

 かなりの大騒ぎを自室で繰り広げていた。

鉱床の遺跡

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