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くろがねのファンタズマその7  

 通路を通り抜けると――蒼い闇が満ちる、広い空間に出た。
 そこは、古代文明の残した様々な機構が天井や床を這う独特の部屋であり――同時に、この魔列車の全ての機能が集約されていることを感じさせる、まさに「中枢」であった。
 ミカの体がよろける。

(……な、なんという魔力――)

 例え魔法の才がほとんどない者でも、その蒼い闇に滞空する圧倒的な魔力を感じるほどに。
 この場所は、何かが”はじまる”気配に満ちていた。
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2016/05/15 12:49 [edit]

category: くろがねのファンタズマ

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くろがねのファンタズマその6  

 壁を埋め尽くしているはずの本棚が倒壊した車両の中、次の車両へ続く出口を塞いでいる瓦解した棚が冒険者たちの進行を邪魔していたのだが――。

「えいっ!」
「みんなっ、伏せて!」

 シシリーが勢いよく投げつけた火晶石によって生まれた爆炎が、大量の書物を飲み込む。
 粉塵と化した本が吹っ飛び、新たに進むべき道が開かれた。
 そんな混沌とした中で、ウィルバーは一冊の本を拾い上げ、凍りついたように固まっている。
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2016/05/15 12:47 [edit]

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くろがねのファンタズマその5  

 ミカが目を開いた時、人形のように整った綺麗な顔がこちらを覗き込んでいた。

「ミカ。意識が戻ったのかい」
「あ……」

 滅多にない近距離で異性に見られていることに羞恥を覚え、ミカは仄かな血の色――それすらもかなり淡いものであったが――を頬に浮かべて、それを誤魔化すようにつっかえながら言った。

「夢を……見ていました。みんなと…知り合った頃の夢を」
「夢……じゃあ、記憶が戻ってきてるんだな?」
「はい。まだ、思い出せないことも多いけど――」
「起き上がるか?無理はすんなよ」
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2016/05/15 12:45 [edit]

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くろがねのファンタズマその4  

 常緑樹の輝きのように美しい緑の光が満たされているキューブをつまみ上げ、

「綺麗だな」

とテーゼンは歎息した。
 今は談話室と前方車両を繋ぐ通路の間に移動している。
 さらさらと草原を渉る風のような音を立てて、キューブに注がれた旗を掲げる爪の冒険の思い出は、リューンの草原の色にも、≪狼の隠れ家≫近くの並木道の色にも似ているように思われた。
 風に揺れる緑の景色は、懐かしい故郷のようでもあり、旅路で見慣れた日常のようでもある。

「親父さんによく使いを頼まれる道が、ちょうどこんな木立でよ」
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2016/05/15 12:43 [edit]

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くろがねのファンタズマその3  

 客室にわだかまっていた悪霊たちを、神聖な光を放つ聖印の力で怯ませて振り切った冒険者たちは、貨物車の中で聖水や火晶石、鉄道会社が乗務員に支給する身分保証のカードなどを見つけた。
 聖水の瓶をお手玉のようにひょいっと投げ、危なげなく受け止めたアンジェがにやりと笑う。

「結構良い物あったね」
「だよなー。何とかこれで、僕らがレオランまで来た交通費くらいは元が取れる……はずだ」
「このカード……IDカード、だっけ?どこかで使えるのかしらね」
「持っておいて損はないと思いますよ。乗客側では出入りできない所に私たちが入り込む時などがあれば、これが鍵になってくれるはずです」

 亡霊列車にいるというのに、賑やかな一行である。
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2016/05/15 12:40 [edit]

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