Mon.

ねことぼうけんしゃとその2  

 早朝の路地はまだ肌寒く、こんな時間に好んで風邪を引きそうな場所に出る、酔狂な者はいない。
 『年よりは早起き』という俗説を体現するように、日の出とともに起きる老婆は現在朝食を食べており、狗尾草――通称猫じゃらしを持って外に出ようとするアンジェを呼び止め、自分が使う肩掛けを貸してくれた。
 毛糸の肩掛けを朝の風に靡かせながら宿から真っ直ぐ路地にやって来た彼女は、また猫と邂逅している。
 アンジェと猫に残された距離は、彼女の歩幅でちょうど一歩分。
 この距離をつめるべく、猫じゃらしを両手に携え、ターゲットの前に腰を下ろす。
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2016/05/02 11:58 [edit]

category: ねことぼうけんしゃと

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Mon.

ねことぼうけんしゃとその1  

 日差しがまだ暖かい時刻―――≪狼の隠れ家≫のある通り。
 喧騒は多くはなかった。
 この辺りで騒動を起こそうとすれば、たちまち≪狼の隠れ家≫に所属する英雄クラスの冒険者たちが、鎮圧にやってくることをリューンのチンピラはよく弁えている。
 おまけに、少し前にはあの宿へ窃盗に入ろうとしたこそ泥たちが、石化して治安隊に引き渡されたという事実もあったことが大きいだろう。
 リズミカルに石畳の道を歩む足音だけがする。

猫
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2016/05/02 11:50 [edit]

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